援助慣れ
援助されていることに鈍感になる
援助慣れ
p135
この村では、現地で手に入る石や泥などの材料だけは住民に集めてもらい、家を建てる実作業も自分達で行ってもらった。私たちのポリシーの一つが、現地の人々ができることは、現地の人にやってもらう、ということだった。私たちは、基本的に住民たちをあまり被害者扱いしない。一時の過剰な善意が、ときに「援助慣れ」を生み、人々の立ち上がる力まで奪ってしまう現場を、過去にいくつも見てきたからだ。私たちができるのは、彼らが自力で歩き出せるようサポートすることだ。無理をして一度に大量の支援をしてそれっきりになるよりも、自分達ができる範囲で、相手が自立できるまでの節目節目に必要な協力をすることが必要だと思う。
自立
p161
現地の人々自身の手で効果が波及している。
ここまできたら、私たちの役割は終わったも同然だ。私たちは、「最終的には現地の人たちが自ら行うべきもの」という大前提のもと、自分たちがいなくなる存在だということを伝えながら事業の計画を立てる。そのため、最初から現地の組織や関係者に最大限参加してもらう仕組みにしている。
選択肢
p162
私たちができるのは、現地の人々だけではつくれない選択肢をある程度まで一緒につくることだけだ。その後は身につけたスキルをもとに、選んだ道をどう進んでいくかは、本人たち次第だ。
出典