影響相対化質問法
影響相対化質問法
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外在化された対象である問題が、どの程度、どの範囲で、どのくらいの期間、その人の人生や生活に影響を与えているのかを見ていきます。これを成し遂げるための質問は、「この『問題」は、あなたの人生にどのような影響を与えてしまったのでしょうか?」という形式に代表されるでしょう。
この影響を「十分に」描写することは、その問題がたとえ強大なものだとしても、その実態をみていくということです。人は、その問題があまりに大きいので、自分の人生や生活をすべて飲み込んでしまったと考えてしまいがちです。そのため、そのような解釈から出てくる説明は、非常に表面的なものとなりがちです。つまり、自由に語ってもらっても、「もうダメです」「私なんか」「何もできないんです」というような描写のものにしかならないという可能性です。このような表現を「ひとくくりにしてしまう描写)と呼びます。どんなに大変な問題でも、その影響の範囲は有限です。つまり「十分な描写」は、問題の影響の大きさを描写してしまいますが、同時にその限界も提示することが出来ます。この限界が、次のもう一方の質問に繋がっていきます。