対立
対立に対する人の反応
・回避
・妥協
・強要/強制
・諦め
・綱引き
・説得
解決の方向性
・適応
・時と場合
・第三案
・例外
・同時実行
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対立における討議方法
『闘い、ゲーム、討議』アナトール・ラパポート1960
1.各参加者は、相手が自分の立場を説明するのをよく聴き、相手にとって受け入れられる説明方法で、相手の立場を表現できたと感じるまでそれを続けるべきである。各参加者は実際に相手の立場を表現する。もし、いずれかの参加者の努力の結果が、相手の受け入れられないものであるなら、両方が納得するまで話し合いを続ける。
現状維持を望む人は、相手が彼を理解している以上に、相手のことを理解していない傾向にある
何もしないためには、たったひとつの方法しかないが、何かするためには様々な方法がある
2.ひとたび各参加者が、相手の立場を相手が満足がいくまで述べることができたなら、各人は相手の立場が正当化されると思われる事実的あるいは道義的条件を明確に表現すべきである。
例えば死刑制度に関する論争において、それに反対する人はその制度が正当化されるであろうと信じる場合の条件を述べるべきである。彼は次のように言うかもしれない。「私は死刑制度によって死刑執行の数より多くの殺人が防げるならば、それは正当化されるであろうと信じる」と。このように述べることは"問題を解決する条件"を見つけたことになり、また多くの対立問題を事実関係を確認する問題に変換することが可能になる。例えば、死刑制度は失われる命の総数を減らすか?という事実関係の問題になる。
時には一方の当事者が、いかなる条件のもとでも相手の立場は正当化されないと主張するかも知れない。例えば死刑はいかなる条件のもとでも正当化されることができないと。このような場合は、まずそう主張する人から先に、対立する無条件の信念をもつ2人の当事者感に存在する相違を妥解するための方法を提案するべきである。もし彼がそうし、かつ彼の対立者がそれを受け入れるなら、提案された手順は使われるだろう。
3.いったん問題を解消させる条件に同意が得られたなら、各参加者はどのようにしたら実際の条件を決定することができるかに関する彼の考え方を明確に提示すべきである。
4.いったん適正な条件をいかに確立するかに同意が得られれば、対立者達はこれらの条件が実際にはどのようなものなのかを決定することを試してみるべきである。
5.討議の中の異なるそれぞれの立場を"行"とし、意見のあった正当化する条件を"列"として「後悔マトリックス」を作成すべきである。
6.さて、対立者の各人は、起こりうる2つの過誤のうち、いずれの方がより重大な者であると思うかを違いに独立に決定する。もし対立者達が同意するならば、それぞれは自分が一番小さい過誤を与えると思う立場を受け入れなければならない。もし対立者達が同意しなければ、これは第1ステップにもどる主題にとなる。
不可能な対立解消
・一方の究極の目標が他方を破滅させるなら解消は不可能である。
このような雲に覆われた領域の中ではっきりしていると思われる唯一のことは、もし対立を、妥解も解消もできないものであるかのごとく取り扱えば、その通りであるかのごとくなってしまうということである。実際にそのようなことが正しいと証明する唯一の方法は、対立を妥解したり、解消したりしようとする試みのどれもが失敗したこと、あるいはどれもが失敗するに違いないことを証明すればよい。私の知っている限りにおいては、未だかつていかなる対立に対してであっても、誰もそうしたものはなかった。それゆえ、事情が許す限りいつでも力に訴えたり服従する前に、妥解あるいは解消を行うよう努力をすることが望ましいと思われる。
出典