問題をどのように認識するか
問題をどのように認識するか
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問題的状況において何が間違っているのかということは、なかなか分からないことが多い。たとえ何かが間違っているということがいかに明らかであろうともである。例えば、われわれは自分の病気の原因を知らなくても自分が病気であることを知ることはできる。そうしてはじめて、診断を受けるということが問題解決の重要な段階となる。効果的な治療法といえども、われわれがかかっていない病気を治すことはできないばかりか、かかっている病気をより悪くするかもしれない。
各々の失敗に共通しているが、成功したときには決してあらわれることのないものを探してみなさい。 ジョン・スチュアート・ミル
われわれ自身の失敗を他人のせいにすることは簡単であるが、しかし、そうすることで間違いを正すことは難しい。
・家庭電機メーカーは消費者からの最も嫌な仕事を調査し、皿洗いであることを知った。自動皿洗い機を販売したが、売上は良くなかった。一方で既存の電子レンジのちょっとした改良版はよく売れていた。こういった事が続き、メーカーの社長は消費者は非合理だと考えていた。ところが展示会で消費者の振る舞いを見たところ原因が分かった。売れていない新製品は必ず腰を低くし屈んで使う製品で、よく売れている製品は屈まずに使える製品だった。
消費者がいつも合理的であるとは限らないが、生産者よりも製品を試行錯誤する機会は多く、より知っていることがある。
・等級は同じだが銘柄が違うガソリンの違いは専門家でも分からない。車の走り方で判断できない。
有意の差がないところで、存在しない差があたかもあるように他人に信じさせようとするよりも、有意の差を創り出すことに投資するほうが効果的だ。
出典