参加の合意形成
たしかに、人によって言っていることがバラバラで、意見の食い違いもあります。それでも、そこに住んでいる人たちが出発点でなければなりません。住んでいる人たちは、自分たちの周辺地域について、誰よりも「修復」しなければならない課題について分かっている「専門家」集団なのです。ですから、まち直しのためには、どうしても「住民の参加」が第一歩になります。
すると、新しい問題が生まれます。「住民参加」という、多人数の人間が合意形成をしなければならないという困難に直面します。どの課題にどれから先に取り組むかの合意が必要となるのです。これが、住民参加の根本問題です。
参加者の価値感の多様性
住民参加の課題の第一は、 参加者の価値観の多様性 の問題です。これは、100人いれば、100通りの考え方があるというほどの、個人的価値観の違いのことです。問題点に関しても同じで、一人一人の立場で重要性、とらえ方や当然解決方法も、意見の相違は当然あるのです。この個人的価値観の相違をどう取りまとめていくか?
住民参加の参加決定の方法
住民参加の意思決定の方法 です。どのような手続きで進めれば、やる気のある少数者の気持ちを踏みにじることなく、長い目で見て、一定の合意を得て、実行しながら、少しずつ修正を加え、最終的には全体的合意にまでもっていけるような、柔軟な意志決定の方法がないのだろうか?
いろいろな合意や試みを客観的に判断を下すこと
一人一人の価値観の相違を超えて合意し、逐次必要に応じた合意が可能になったとしても、まだ問題があるのです。こうして得た合意は、切れ切れの合意なのです。このバラバラの合意が、客観的に見て、全体的な、「まちづくり」にとって良い企画であり、計画であり、イメージであるという保証は、どうやって確認できるのでしょう。これは、一つの神の視点が必要です。 いろいろな合意や試みを、外の世界からみて、客観的に判断を下すこと は、どうやってできるのでしょうか? これが一番深刻な問題です。
位置348
三つの困難な合意
・全員同時合意
・逐次合意
・客観的同意