互恵性
間接的な互恵性
両親がドリスを雇うと決めたとき、ただ彼女の言うことと照会先を信じてそう判断した。かつては、直観で信じたり、自分の個人的な経験に基づいてたくさんの判断をしていたが、今では集合的な経験に基づいてそうした判断を下すことができる。つまり、レビューやソーシャルネットワークを通じて、大勢の人の経験を共有できるのだ。
アーバンシッターでベビーシッターを雇うとき、その人が信頼できるかどうかを自分が知っている必要はない。ほかの人たちの経験からそれがわかるからだ。これが間接的な互恵性と呼ばれるもので、信頼のプロセスを速めることになる。今、アーバンシッターに登録しているベビーシッターは平均で3分以内に返事を返す。5年前はそれが23時間だった。親が求人を出してから信頼できるベビーシッターを決めるまでの時間は10分を切っている。起業した当初は23時間かかっていた。インターネットでは、信頼の問題が素早く処理される証拠だ。そしてこのプロセスは分単位から秒単位へと、ますます速まる傾向にある。
この素早く効率的な新世界では、もちろん事件が起きることもあるが、それは稀だ。