メンタル・レキシコン
mental lexicon
別名心的辞書 mental dictionary
語彙知識のこと
p42
色を見てその名前が言えるのは、私たちは脳の中にことばの知識をもっているからだ。このことばの知識が、「メンタル・レキシコン」である。ストループ効果は、メンタル・レキシコンがどのような性質をもっているのか、その一端を示してくれる。文字で書かれている色名を言ってしまいそうになるのは、文字情報が入力されると、私たちの言語処理システムはほぼ自動的に、また瞬時にメンタル・レキシコンにアクセスして、その文字がなんということばなのかを調べてしまうからである。その結果、インクの色の情報からアクセスして想起されるその色の名前と、文字から想起される色の名前との間に競合が起こり、どちらを発話するのか、判断上の葛藤がおこることがストループ効果の原因と考えられている。
メンタル・レキシコンに含まれる語彙数
受容語彙 読んだり聞いたりすれば分かる語彙
発信語彙 自分で話したり書いたりできる語彙
英語を母国語とする高校生
発信語彙 12000-25000
受容語彙 45000-60000
日本語を母国語とする受容語彙
高校生 40000-45000
大学生 45000-50000
L2として必要なの語彙知識
GSL 95%の理解(平均して一文に1語、知らない単語が出てくる)
2000
新聞や一般書を読むのに必要
5000語または3000ファミリー
1ファミリー 6-7語(活用形や派生語compose, composition, composer等を1ファミリーと数える)
構成
単語の文字、スペリングなどの正書法と発音に関する情報を保存する「レキシーム(lexeme)」と、単語の意味、単語の使い方に関する文法的情報(統語情報)を保存する「レマ(lemma)」から構成されていると考えられている。
L2メンタル・レキシコン・モデル
第二言語習得初期の段階では、L2の言語はそれに対応するL1の語彙と結びつけられる。
行ってみれば、英単語(L2)をその日本語訳(L1)で覚えるようなものである。その語の意味は、したがって、L1の語を経由して理解すると言うことになる。L2の習得が進むと、次第にL2の語彙とその意味が直接結びつくようになる。
最終的にこの結びつきが十分強くなると、L2の語フォームから直接意味概念にアクセスができるようになる。
第二言語習得初期
https://gyazo.com/8078973039c7bc02fc0531b1ce36d0a5
第二言語習得済み
https://gyazo.com/9c7360f26c824dd9b909b556fb28afe5
L2メンタル・レキシコン・モデルの問題と修正モデル p57
ことなる言語間において語の意味は一対一で対応しているわけではなくズレがある。
このズレに対してL2メンタル・レキシコン・モデルの修正が特徴要素モデルとなる。
https://gyazo.com/ae2df052f0db846d4983e7371b233574
出典
参考