マンガにおける人間を辞める主人公
バトルマンガではちょくちょく主人公が人間を辞めてしまう。ただ辞め方や戻り方、世界との関係にもパターンがある。ハリウッド型脚本パターンと類似している。
人間をやめる(神になったり、変身する)
ゴクウ スーパーサイヤ人/ドラゴンボール
ナルト 仙人化/ナルト
ダイ 竜魔人/ダイの大冒険
浦飯幽助 魔族化/幽遊白書
ゴン ゴンさん化/HxH
アムロ 非ジャンプ作品 異常な超常能力化/逆襲のシャア
自由に変身できると日常の世界に戻れるけれど、変身要素が少なかったり(不可逆な変身)、世界にあまりに影響が大きい存在になると、怪物的存在になってしまって、世界から旅立たなければならなくなる。
ゴクウ->死後の世界へ
ダイ->世界破壊爆弾と共に消える
アムロ ->アクシズと共に消える
例えば、ダイの大冒険において、主人公は終盤では人間を遙かに超えた超常的な能力を持つ存在になってしまう。
こうなると読者はぽかーんとなりやすいので、代わりに共感できるキャラクターが出てくる。ダイの大冒険ではポップが登場する。人間を辞めずに神と戦う存在…いわゆる影の主人公だ。使命だけでは戦えず、私情を拭えないキャラクター。
一方で、最初から異常な能力を持っていたキャラクターは、能力を失うことで人の世界に戻れる主人公もいる。
緋村剣心 刀を持てなくなる/るろうに剣心
ゴン 念能力を喪失する/HxH
魔法のアイテムが登場する昔話では、本人の能力は変わらず、アイテムを喪失したり目的を達成することで日常に戻るパターンが多い。(『昔話の形態学』で網羅されている)
※ちなみにダイの大冒険の原作者は仮面ライダーシリーズや戦隊シリーズの脚本を書いている。
半神は神話でも、神と人の子といった形でよく取り上げられているし、文化人類学でも研究されるテーマなのでそのうち調べてみたい。無神論者が生みだした半神としてはサンタクロースが興味深い。