フォークソノミー(folksonomy)
次に、消費者の嗜好がどのように広がりをもって構築されていくのか、社会的な概念がどう細分化していくのか、そのダイナミズムを分析した研究を紹介しよう。たとえば、エスキモーは雪の表現が細かいということはよく知られている。中国には卓球の技術的用語を示す言葉が日本より多いと聞く。つまり、ある興味を持った集団が存在すると、そこには自ずとその興味を細かい粒度で分節する概念が発生するわけである。インターネット上では、フリッカー(flickr)等のサービスにおけるタグの分析等が行われ、人々を意味するfolksと分類体系を意味するtaxonomyを組み合わせたfolksonomyという現象として知られている[Mika, 2007]。