パラグラフライティング
paragraph writing
論文には国際的標準がある
読み手を説得する目的で書かれる
文学ではない
誰が書いても構造が同じなので分かりやすい。
最初に結論が書かれる
驚きは必要ない。意外な結末はNG。起承転結はNG。
日本では論文の書き方を指導するところは限られている
論文の構造
outline
各パラグラフのトピックセンテンスを抜き出して羅列したもの
パラグラフ同士の繋がりを作る
大構造
abstract/summary
introduction/序論・総論
thesis statement
論文全体の紹介
目的・問題意識・過程・主張・結論などを簡潔に紹介する。
「私の主張は○○である。○○という方法を用いて、○○という主張に至った」
body/本論
序論を補強する。序論で示した順序で提示する。
序論で「3つの側面から検証した」のであれば、3つの検証を提示する。
主張に向けて証拠を積み上げる。
調べた資料、調査結果、実験結果、二次資料(参考文献)を用いる。
余分なものはいれてはいけない。「参考になりそう」は不要。
conclusion/結論・提言
本論で積み上げた証拠を元に、読み手が納得する主張を述べる。
appendix/補論
小構造
paragraph パラグラフ
論理構造を示す単位である
パラグラフ1つだけでも主張があり、論理的に意味が完結する
論文の小構造ではパラグラフ間の関係が最も重要である
読みやすさで長さは決めない
読み手に必要のないパラグラフは削る必要がある
エゴやバイアスに注意。知識があることを示したいなど
sentence
topic sentence トピックセンテンス
目的はパラグラフで言いたいことを一言で表現する。パラグラフのサマリー、結論を述べる。
トピックセンテンスさえ読めば、そのパラグラフで何が言いたいのか概ね分かる。
書けない場合、複数のトピックがないか、複数のトピックを含んでいる。
トピックセンテンスで用いられたキーワードが、パラグラフ内で繰り返し用いられる
second sentence セカンドセンテンス
目的はサポーティングセンテンスに繋ぐこと
「○○がどのように利用しれているのか見てみましょう」
必須ではない
supporting sentence サポーティングセンテンス
目的はトピックセンテンスを補強すること
列挙、時系列、因果関係など
サポーティングセンテンス間で表現に一貫性が必要
soncluding sentence コンクルーディングセンテンス
パラグラフの最後におかれるまとめで、いくつか種類がある
パラグラフの内容を要約する
パラグラフ内で指摘された問題へ回答する
パラグラフ内で書かれた結果を予測する
パラグラフの内容に提言する
結論する
必須ではなく、パラグラフ毎に利用を判断する
トピックセンテンスで結論が示されている場合
文と文、パラグラフとパラグラフを繋ぐ
接続詞
枚挙 また、次に、例えば、似たものに
協調 特に、主に、重要なことは
連続 まずは、最初に、最後に、以前は、現在は、最終的には、後に、直後に
因果 このため、ゆえに、結果として
比較 他方、これに対して
まとめ 要約すれば、結論としては
悪い論文
読み手によって解釈が変わってしまう文章にしている
対処
指示代名詞を使わない
読書感想文になっている
「感動しました」
「参考に頑張ります」
「感銘しました」
「臨機応変になれるようにしたい」
「学びを活かしていきたい」
意見と確認できる情報が区別されていない
引用を主要な根拠にしている
引用は自分の観察や分析の補強のために用いる
自分で調べたことを主要な根拠とする
引用がない
バックグラウンドを感じられない
客観性が薄い
資料の調査不足
研究職以外の人は、間違った情報を根拠にしていることが多い
多くが資料を探す方法がわかっていないだけ
日本語で書かれていない
不特定多数の人がアクセスできるところにはない
注意
省略形は極力避け、フルスペルで書く
一般化している場合はよい
IMF、WHO
国際通貨基金(IMF)という表現は親切
ただし似たような省略表現が複数ある場合は避ける
図表
図表は単独でも意味が分かるようにする
図表だけ引用されたり、読まれたりすることがよくあるため
図表タイトルは、胃病だけが一人歩きしても分かるようなタイトルにする
単位や用語の統一
メートル、フィートなど単位の不一致
メートル、mなど表現の不一致
小数点以下の桁数の不一致
訳語の不一致
注を統一する
注の位置
各ページ下部に入る
各章の終わりに入る
巻末に入る
注釈番号
アラビア数字
ローマ数字
ローカルルールに従う
学会誌・学術雑誌のルール
論文投稿要領を参考にする
例
章立ての仕方
見出し番号の付け方
図表番号の付け方
引用の仕方
信用文献、参考文献の表記の仕方
前出書の示し方
チェック方法
接続語を検索して分布を見て確認する。
「しかし」といった文脈を変える接続語が頻出していると、流れの変化が多く、読みにくい文章になっている可能性がある。
指示代名詞、省略形、単位を検索して確認する
段落とはなにか
文の量を調節して読みやすくする技術であり、パラグラフとは別ものである
日本では読みにくくなるのをさけるために、このくらいで段落を切ろうとする。
出典
『小論文・レポートの書き方 パラグラフ・ライティングとアウトラインを鍛える演習帳 』野田直人