セガ
もうすぐ70歳になろうとしている著者にとっては、「もう時効だろう」ということで、歯に衣着せずに話しておられるのだと思いますが、長年のセガファンだった僕は、これを読んで、「ああ、この人たちは、自分たちで『つまらない』と思っていたものを知らん顔して売っていたのか……」と、今さらながら、ムカついたんですよ。
当時の僕らはセガのゲームに期待し、世間がファミコン一色のなかで、応援していたのに……
任天堂のゲーム開発者であれば、たぶん、いま、同じように語る機会があっても、「自分たちとしては、やれるだけのことをやったものを売っていた」と言うのではなかろうか。それが、100%の真実ではないとしても。
セガは、業務用では高性能のハードで、高品質のゲームを出すことにこだわっていたため、ハードの性能が劣る家庭用ゲーム機では、「まあ、スペックが劣るハードだから、しょうがないよね」と妥協してしまう傾向があった、とも著者は述べています。
「セガは何でも自分でできてしまうのでサードパーティが入ってきにくかった」という話も出てきます。
セガは、家庭用ゲーム機を長年売っていながら、家庭用ゲーム機のメーカーとしての覚悟や矜持が足りなかったのです。
この本、読めば読むほど、「セガは、負けるべくして負けた」と認めざるをえないのです。
【読書感想】元社長が語る! セガ家庭用ゲーム機 開発秘史