ゴール
GOAL
私にとってのゴールは「人々が秩序を作り上げる方向性を定める環境情報の一つ」です。ゴールとは未来にあるものではなく、今の私たちの意思決定を支えるものと思います。
たとえばアポロ計画は1960年代に人類を月まで届けるというゴールなしに人々は結束はできなかったでしょう。アポロ計画のゴールは1969年にあったのではなく、計画が始まった1961年からずっと人々を支えてきたものと思います。動的なコンテキストですね。また囲碁、将棋、様々なスポーツも、勝利というゴールなしに、高度な熟練は難しいかなと思います。
世界には時間が連続的に流れています。ゴールとは、時間の流れの中で私たちが体験する事象の連続から、特定の事象を区切る作用と、その区切り方の変化を引き起こします。たとえばスプリントの中では時間が連続的に流れますが、ふりかえりにおいては、その連続した時間から特定の事象を取りあげ、次のスプリントで私たちの行動の変化や、今までは見過ごしていた事象を切り取れるようになります。うまくない表現ですが、ゴールとは連続を操作したり、全体を収束させるような働きがありますね。
もちろん質の悪いゴールも世の中には溢れています。予定調和の目標管理制度などですね。政府による未来に向けた提言、たとえば少子化対策については、ゴールというよりも、もはや願望といえるものに読めます。ムーンショット笑
アレグザンダーについては質の高いゴールを提供できたかは疑わしいところです。より質の高い秩序に向けて、様々な行為の可能性の選択肢の中から的確な選択肢を刈りとり方を明示できていないように見えます。
様々なパートナーと研究を続けていましたが、例えばパタン・ランゲージも、(どの本かは別れましたが)本当に理解しているのは3人だけだったとコメントしていたりします。なによりも彼は自身の理論においてずっと孤独です。
discordでのkyon_mmさんとの会話より
共に祝う
限られた大きさのケーキを取り合うのではなく、ケーキそのものの大きさを拡大することに集中すればいい
ゴールの効用は集中が明確になること
細かいところまで全部を分析しようと思ったらできないことはない。しかし、そんなことをしていたら時間がものすごくかかってしまうだろうな。いいかい、私の目的はビッグブランド社のパフォーマンスを飛躍的に伸ばす方法を見つけることだった。だから、会社全体を分析する必要などなかった。
私が分析しないといけなかったのは、うまくいっていなかった部分だけだ。好ましくない現象だけに集中すればよかった