オープンイノベーション
事例
研究者や関係者は7500人だった。同じ業界にいる世界の関係者は150万人だった。7500人と150万人からなる研究開発組織として働かなければならない。
しかし、P&Gはその後大停滞に陥る
技術を秘密にする企業群に対して、技術のオープンな関わりに挑戦をした
しかし、当時取り組んでいた企業のほとんどは、CIA並みに徹底した秘密主義を貫いていた。誰が最初にコンピュータ・アニメーション映画をつくるかを競っていたため、技術的な発見を内密にしていた。しかし、アルヴィと相談して、我々はその反対を行くことにし、成果を外部と共有することにした。目指すゴールがあまりに遠く、アイデアを抱え込んでいてはいつまでもたどり着けそうになかった。そこでNYITはコンピュータ・グラフィックス( CG)界とつながり、発見をすべて公表した。業界団体に参加してあらゆる研究者の論文に目を通し、主要な学会で積極的役割を果たした。透明性のメリットをすぐに実感できたわけではなかったが( もっとも、最初から見返りを期待していたのではなく、そうするのが正しいと思ったから始めた)、徐々に人との関係やつながりができ、それが予想をはるかに超えて貴重なものになった。そのおかげでさまざまな技術革新を生み、創造性というものに対する理解を深めることができている。
オープンイノベーション白書 第二版