2BSD
一九七八年半ばには、バークレー版UNIXをバージョンアップする必要が出てきた。Pascalは、ユーザコミュニティからのフィードバックが実装されて、より堅牢なコンパイラになっていた。それまでの1パス方式のコンパイルから2パス方式に改良され、PDP-11/70上で動作するバージョンに加えて、(メモリの少ない)PDP-11/34上で動作することができるようにもなっていた。そこで、ビル・ジョイは、様々なアップデートを反映する形で、"Second Berkeley Software Distribution"を作っている。そして、すぐに2BSDの略称で呼ばれるようになったこのバージョンのバークレー版UNIXソフトウェアには、改良強化版のPascalのほかviエディタが含まれていた。数種類の端末向けのtermcapも用意されていた。ビル・ジョイは、配布用のテープの作成から、電話の応答、ユーザからのフィードバックの実装まで、全部一人でやってのけた。その年の2BSDの発送本数は七五本にのぼっている。