差別のない社会をつくるインクルーシブ教育
このドキュメントについて
佐藤まみhealthy-sato.iconのインプットメモ
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なぜ差別や排除が起こるのか
なぜ障害のある人は、障害のない人が考えなくてよいことを考えなければならないのか? それは、社会が障害のないマジョリティを中心につくられており、障害のある人がいることを前提としたつくりになっていないから — location: 197
そういう構造なので、努力や思いやりでは不十分
私個人が障害のある人に差別をしないようにどんなに心がけても、社会はすでに私を含む障害のないマジョリティの人たち仕様につくられています。個人として「思いやり」を持って障害のある人と接したら差別はなくなるかというと、この社会がマジョリティ仕様につくられているままではなくせないのです。 — location: 199
社会や仕組みをつく側のひとが、自らの優位性を意識して不利な立場にあるひとに何ができるか考え行動し働き続けないかぎり、その構造は固定化してしまう
意思決定をする立場や影響力のある立場は、マジョリティ特権者が多いです。
意思決定をしてさまざまな制度をつくっていく立場にいるマジョリティ特権者が、自らの特権に気が付かないまま制度をつくると、無意識のうちに差別的な構造をそのまま維持してしまうことになります。
制度や仕組みをつくる人たちがマジョリティ特権者ばかりで、マイノリティ属性の人の声を聴いたりそれを取り入れたりする仕組みがないかぎりは、マジョリティ属性にとって都合のよいマジョリティ特権者優位の社会は維持されてしまうのです。
野口 晃菜,喜多 一馬. 差別のない社会をつくるインクルーシブ教育 誰のことばにも同じだけ価値がある (Japanese Edition) (Kindle の位置No.252-254). Kindle 版.
あるマジョリティ側の社会集団に属していることで労なくして得る優位性
数の多さではない
より主流であり、より権力があり、
意思決定をする立場や影響力のある立場にあること
みんなだれしも生まれながら様々な属性を複数もっていて、その各属性について、それぞれマジョリティ性、マイノリティ性がある すべての属性がマジョリティ、すべての属性がマイノリティのひとはいない
場面やシチュエーションによって、どの属性に着目されるか変わってくる
どうあるべきか
制度や仕組みを作る立場ににあるひとが、その特権性を自覚すること、そして是正措置を考え続けることが必要。
ここでいう是正措置は、優遇、特別扱いではない
選択肢をつくること、そしてもっとよい選択肢がないか模索し続けるプロセスがとても大切
healthy-sato.icon( これはプロダクトづくりでも言われるやつだ…)
healthy-sato.icon 以下、「プロダクトを作る」立場として改めて意識したいこと、忘れたくないことを書きのこしてみる
いわれてみればプロダクトも立ち上げ期では、どんなに一人でも多くの人に配慮しようとしても、ある程度スコープ(「現時点では対応できないこと」)を設定せざるを得ない現実がある。
限られたリソースで最初からすべてのニーズを満たす万能のソリューションはつくれないから。そして、もしそれができるのであればすでに実現されているともいえると思う。
理想を叶えるためにやったほうがいいこと、やるべきことは文字通り無限にある。でもできることはどうしても限られている。
だからこそ、その取組みで解決すべき課題の解像度を高め、今やらなければならないこと、今できること、今はできないけど将来的にやるべきことについて真摯に学び、考え向き合い続ける姿勢が大切だと思った。
(思いつきキーワード:順次戦略・累積戦略)
目次
まえがき(野口晃菜)
執筆者紹介
●はじまりの会 インクルーシブ教育について考えよう(野口晃菜)
インクルーシブ教育とは
なぜ差別や排除が起こるのか
インクルーシブな教育実践のために教師ができること
リフレクションワーク/おすすめ書籍・教材
●第1限 障害のある人が学校を出たあとの暮らしを学ぼう
障害のある人が地域で過ごす大切さと難しさ(延原稚枝)
自立って何?(中野まこ)
自立生活のよさを実感するのは過去の体験から(川﨑良太)
リフレクションワーク/おすすめ書籍・教材
Column1 学び直そう!『人権』ってどういう意味?(松波めぐみ)
●第2限 貧困状態にある子どものことについて学ぼう
インクルーシブな社会は貧困を決して容認しない(加藤日和)
貧困とは何か? 当事者の目線から伝える(深澤竜二)
リフレクションワーク/おすすめ書籍・教材
Column2 最近よく聞く!「マイノリティとマジョリティ」を知ろう(伊藤芳浩)
●第3限 包括的性教育について学ぼう
なぜ今、包括的性教育なのか(星野俊樹)
包括的性教育の授業実践~教室には必ず「当事者」がいることを忘れないで~(郡司日奈乃)
リフレクションワーク/おすすめ書籍・教材
Column3 「特権があること」と「特権がないこと」の違い(伊藤芳浩)
●第4限 多様な子どもを大切にする排除やいじめのない学級づくりを学ぼう
いじめや排除を乗り越えインクルーシブな学校環境をつくるには(青山郁子)
子どもたちのステキな行動が生まれやすい学級環境をつくる~ポジティブ行動支援によるいじめ予防~(松山康成)
リフレクションワーク/おすすめ書籍・教材
Column4 『ずるくないよ』と説明できる?「合理的配慮」とは(「合理的配慮」と「社会モデル」)(松波めぐみ)
●第5限 インクルーシブな教室をつくろう
向き合うことで見えた「プロセス」からインクルーシブな教室に(大野睦仁)
子どもたちの見ている風景からスタートする~小学校特別支援の現場より~(森村美和子)
インクルーシブな教室がインクルーシブな社会をつくる(田中博司)
インクルーシブな学校で過ごした経験~共に学び、遊び、挑戦する経験~(福地健太郎)
リフレクションワーク/おすすめ書籍・教材
●放課後 みんなでモヤモヤを話してみよう
座談会1 インクルーシブ教育を実践する先生のしんどさ、どうする?(大石梨菜・大野睦仁・清水奈津子)
座談会2 「できる」「できない」だけで子どもも自分も見ていないか?(遠藤径至・太田祐輝・桒田嵩平)
●課外活動 これからをつくる背中~インクルーシブな社会をつくりたい学生たちの声~(岩下唯愛・尾花涼・久保美奈・村田七海)
あとがき(喜多一馬)
参考: