民主主義
私たち自身の中に、『平等な個人による参加と責任のシステム』自体を否定する感情が生まれつつある。自分たちが意見を言おうが言うまいが、議論をしようがしなかろうが、答えは決まっている。ならば誰か他の人が決めてくれればそれでいい――そういう諦めの感覚に支配されること。これこそが民主主義の最大の敵であり、脅威だと思います
歴史を振り返ると、民主主義と議会制は本来、別のものでした。少なくとも18世紀までは、市民による直接的な統治である民主制と、選ばれた代表者による意思決定である共和制は明確に区別されていました
根底には自分たちの声が聞かれていないという感覚があります。民主主義を信じようにも、現実の代議制に裏切られているという不満の表れであるわけです。ポピュリズムは民主主義の敵というより双子のようなもの。それが突きつける課題にどう応えていけるのかが問われていると思います
かつてフランスの思想家アレクシ・ド・トクヴィルは、印刷術と郵便制度が民主化を進めたと言いました。ITとデジタル化も必ず社会を変えていきます。特に市民が政策形成に日常的に参加し、行政権を直接統制する可能性に期待しています