演劇大学in福岡2015
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「語り出す沈黙」×「小泉八雲」
日程:2015年10月7日(水)~12日(月・祝)
会場:クローバープラザ(福岡県春日市)、ゆめアール大橋(福岡県福岡市)
福岡から発進した夢野久作、世界に飛び出した川上音二郎ときて、今年は、外から日本を見つめた小泉八雲です。怪談が有名な八雲ですが、日本についてのエッセイも数多く書いています。その中にある「沈黙の言語」という言葉から、今回の「語り出す沈黙」というテーマが生まれました。沈黙なのに語りだす?しかも該当発表!?なにが起こるかわからない秋の演劇大学をみんなで楽しみましょう!
戦後70年と「演劇大学in福岡2015」
演劇大学in福岡 校長:瓜生正美
1945年、8月15日、敗戦の日を私は島原半島の西側で米軍の上陸に備える橘湾警備隊の一兵士として迎えました。その6日前の9日に長崎に原爆が投下され、私は救助隊の一員として爆心地での作業にあたりました。(第二次被爆者です。)私は、あの戦争を「アジア民族解放の聖戦」と教え込まれ信じきっていました。でも「嘘」でした。敗戦の私の行動は、その「嘘」への反逆です。それだけに「福岡」をアジアの舞台芸術の創作交流地とする」という「演劇大学in福岡」は私自身にとって貴重なものでした。平和無くしては「自由な演劇」は存在しません。「戦前回帰」の怪し気な雲行きの中、この思いは切です。今年も元気で10月の青空の下でお会いしましょう。明けない夜はありません。反戦・平和の演劇運動万才!
【プログラム】
3泊4日の劇団体験:演出家×アドバイザー
(劇団体験A)石田聖也×山田恵理香
(劇団体験B)竹内元一×和田喜夫
(劇団体験C)山下晶×外波山文明
演出家×アドバイザーと共に、作品を創作します。
仮面劇
講師:清水きよし
仮面が語りだす!?仮面をつけて劇をつくってみよう。
舞踏
講師:桂勘
体が語りだす!?舞踏にチャレンジしてみよう。
戯曲講座
講師:福田義之
ト書きが語りだす!?戯曲を書いて発表しよう。
シンポジウム:演劇三大トーク
講師:桂勘、福田義之、山田恵理香、和田喜夫、外波山文明、石田聖也、竹内元一、山下晶
各講座の講師やアドバイザーが語る、ぎゅぎゅっとおトクな開講講座。
発表会
街頭発表
劇団体験、舞踏、仮面劇の講座で創作した作品を街頭で発表します。
シンポジウム
演劇大学in福岡2015をふりかえり「アジア街頭演劇祭」に向けて講師陣が語ります。
ゲスト:ザン・ニンベイ、ジョニー・タム
プロフィール
石田聖也
2013年4月、大学の仲間と共に演劇ユニットそめごころを旗揚げ。脚本、演出、俳優を担当している。福岡の小劇場を中心に活動し、現在は演劇の成立する表演空間の創作にこだわり、可能性を探り続けている。
山田恵理香
1995年より福岡を拠点に活動を開始。「空間再生事業劇団 GIGA」を旗揚げ。人間が秘めている本質を炙り出す演出は数々の衝撃作と問題作を生んでいる。2005年利賀演出家コンクールにて優秀演出家賞受賞。アジア各地の演劇祭で作品を発表。近年は俳優育成や演劇普及にも力を注いでいる。
竹内元一
1986年生まれ。立命館アジア太平洋大学中退。体を壊したことを機に福岡の劇団を脱退し、演出家として復帰。 「死ぬまでに傑作をつくる」精神の下、創作を続ける。実在する人間や事件に寄り添い、演劇表現を通して人間に付き纏う「永遠に解けない呪い」を描く。
和田喜夫
1951年山口県生。82年から劇作家・岸田理生との共同作業を続け、92年アデレード国際演劇祭で『糸地獄』を上演し絶賛を得る。オーストラリアやカナダの先住民の劇作家との共同作業として『居留地姉妹』『ウィンドミル・ベイビー』等。楽天団代表。日本演出者協会理事長。
山下晶
1970年生まれ。熊本出身。2002年に自身が立ち上げた役者集団『グレコローマンスタイル』では、作家・演出家・役者の3役を担う。また、役者として、マキノノゾミ、わかぎゑふ、岩崎正裕、永山智行など、多くの福岡県外の演出家にも演出を受ける。
外波山文明
1947年木曽出身。68歳。1971年「はみだし劇場」旗揚げ。現在は「椿組」を主宰。全国放浪やシルクロードなどで街頭劇や野外劇、テント芝居を仕掛ける。毎年夏の花園神社野外劇は30年目になる。最近は映画、テレビ、外部の舞台出演も多い。役者・演出・プロデューサー。
福田義之
1945年、東京で三月と五月に空襲を体験。同50年よりこの道に。59年、戯曲「長い墓標の列」岸田戯曲賞佳作。ミュージカル「ピーターパン」日本初演演出。以後、「真田風雲録」(62)、「オッペケペ」「袴垂れはどこだ」(63)、「希望幕末無頼篇」(90)等。94年「壁の中の妖精」紀伊國屋演劇賞。95年「私の下町-母の写真」読売文学賞、芸術祭賞。01年紫綬褒章。74年、時代小説「草葬無頼なり」(乱雲篇)を刊行(朝日新聞出版)。
桂勘
1979年舞踏結社「白虎社」に参画。81年退会。86年"桂勘&サルタンバンク"結成、89年"オフィース・パラディックスK/(主宰琴浦香代子)"を開設、「京都-アジア」を結ぶ舞踏・演劇の研究・共同制作を手がける。現在は中国大陸に分け入り「チベットの死者の書」の舞踏作品を計画中。
清水きよし
ヨーロッパのマイムの流れをベースに、日本の伝統的な演技様式吸収して独自のスタイルを作り、軽やかで透明感のある演技で「空間の詩人」と呼ばれる。ユーモアとペーソスに道海外でも高い評価を得る。代表作「幻の蝶」。「KAMEN」など仮面MIMEの上演活動も意欲的に行う。
ザン・ニンベイ
上海を拠点に活動する演出家。四川三星堆国際演劇祭芸術監督・上海閔行区演劇協会理事。劇団「将進場」(ランドステージング・シアター・カンパニー)代表。演劇学校「九方塾」創設者。南京師範大学(中国)、中央工芸美術学院(中国)、クィーン・マーガレット大学演劇学院(英国エディンバラ)で芸術論と演劇を専門に学ぶ。演出の傍ら、詩、散文、劇評などを発行するほか、上海演劇学院をはじめ、南京、武漢、北京、杭州、貴州、広州などの大学やプロ劇団で教鞭をとる。また、韓国の東アジア演劇創作会議に招待された経験も持つ。演出家として、国内外のテレビや、30作品以上の演劇を制作、中国本土や香港、韓国、日本、ドイツ、イギリス、マレーシアなど、各地での上演回数は500回を超え、「人道的配慮のある演出家」として知られている。
ジョニー・タム
小城実験劇団(マカオ・エクスペリメンタル・シアター)芸術監督。自家劇場共同創設者。「劇場博劇場」演劇祭実行委員長。
小泉八雲ってどんな人?
1850年生まれ。ギリシャ出身。出生名はラフカディオ・ハーン。ジャーナリストとして来日した後、英語教師となる。松江、熊本、神戸、東京と移動しながら、日本文化を欧米に紹介する本を数多く出版した。日本と欧米を比較し、どちらがいい悪いではなく、当事者の立場に立って双方を理解しようとする感性によってつむがれた文章は、当時の日本を今に伝える貴重な資料となっている。日本では、雪女などが収録された「怪談」が有名。
演劇大学とは?
一般社団法人日本演出者協会が、演劇振興の一環として、第一線で活躍する国内外の演出家を招き、短期集中的にセミナーやワークショップを日本各地で開催しています。演劇を創り、勉強し、語り合うプログラムを実施し、発表会まで行っています。年齢、経験を問わず、演劇の幅広さと奥深さを体験できる機会となっています。