Glyphs 自動勉強会 Vol. 13
https://scrapbox.io/files/662256c2f6459200237a15ed.jpg
2024. 4. 20 Sat 20:00–
Glyphsの自動勉強会です。Glyphsのみならず、文字に関することならなんでもOK。勉強会といっても堅苦しいものではなく、気軽に色々話せたらと思います。
自動勉強会について
雑談とセミナーの間みたいな感じ
ネタを集めておいて、参加者が三人以上でやったら開催
Glyphs自動勉強会は、隔月1回くらいの頻度でやっていきます
毎回アーカイブを取り、Youtubeに限定公開でアップロード予定
Youtubeでライブ配信することにしました。終わったら自動でアーカイブが生成されます
参加資格
文字に興味がある方なら誰でもOKです!
むしろ、色々質問してくれると嬉しいです
参加方法、ルール
GlyphsユーザーDiscord “Spur into Glyphs Club” に入ってください
もしくは、直前に@wolphtypeがつぶやくYoutubeライブをご視聴ください
進行はwolphtype.iconが行いますが、好きに喋ってもらってOKです。逐次質問も🙆♂️
進行は今後他の人にお願いするかもしれません
Youtubeのコメントや、Discordのauto-studyroomチャンネルで話すのもOK
聞き専が良い方はマイクをミュートにしてください。
Scrapboxも好きにいじってください!Discord・Youtubeでのコメントも自由に。
スライドとかは用意せず、下の項目に従って話しながら進めていきます。適宜Webサイトを参照したりGlyphsを画面共有したり。
目次に加筆した方は、自分のアイコンをつけてもらえると助かります。
目次(自由に追加してください)
作ってる・作ったもの・買ったものアピールコーナー
最近書体界隈であったことなど
モリサワwatakatz.icon
Adobe バリアブルフォント「百千鳥」の情報解禁
テキストエンジンのアップデートも予定されているらしい
Type Project「TPゴシック コンデンス・コンプレス」リリースtomo.icon
お知らせ
第3回「文字のLT会」は 5/25土 20:00– JST オンラインで開催予定です!tomo.icon
Glyphsアプデ
MacOS Sonomaに対応?
pdfのみだったらハンドブックがWebでも見れるようになりました
検索機能もあり便利!
バリアブルフォント関連
イタリックとローマンのスタイルリンキング
もしファイルが分かれている場合、インスタンスのバリアブルフォント設定のところでローマンの方をRegular, イタリックの方をItalicとするとスタイルリンキングをしてくれる
マスクしている状態でもバリアブルフォントとして使えるように
アウトラインや分解しなくてOK
(そもそもマスクという機能を知らなかった)wolphtype.icon
Disable Masters機能の追加
バリアブルフォントの書き出しに使うマスターをオフにできる
例えば2軸の4マスターのフォントがあったとして、2つのマスターをDisableにすると自動的に1軸のバリアブルフォントとして書き出してくれるっぽい
マスターがオフになったことで書き出されなくなった静的なインスタンスにはIgnore out of bounds instancesというパラメーターがつく
カスタムパラメータに設定するfilterがバリアブルフォントでも使えるように
全てのレイヤーに同じ効果が適用される
角丸フィルターを使うときはcompatibleというワードを入れるとGlyphsが頑張ってくれる
変数を入れて、マスターごとに数値を設定することも可能
ストローク(線の設定)が使えるようになった
互換性に気をつける必要はあるが、ストロークベースでバリアブルフォントを作ることが可能に
また、デフォルトの設定のマイター結合が尖りやすくなった
Axis Mappingパラメータの仕様が変更
Internalの数値とExternalの数値が入れ替わった
古いバージョン用のファイルが壊れる可能性がある
Axis Locationの使用が推奨されている
STATテーブルの生成が改善された
非アクティブにしていたインスタンスが書き出されていた問題
Width軸のデフォルトがRegularになっていなかった問題
バリアブルフォント用のフォントファミリーが使えるようになった?
もし1つのフォントファイルから通常の幅とCondensedを静的で書き出したい場合、バリアブルも重複してしまっていたのが改善
その他の改善
コーナーコンポーネントが静的な書き出し同様に機能するように
ブレースレイヤーの改善
Font InfoのExportsタブでのバリアブルフォント設定のコピーペーストの挙動が理想通りに
特にカスタムのAxis Tagのハンドリングの改善(タグ→wghtとかそういうの)
書き出しの際の中間マスターの計算が改善
バリアブルフォントにおけるGPOSフィーチャーの改善
マスター互換性を表示の際のアンカーの描画が改善
バックアップレイヤーを表示しているときのレイヤーのRe-interpolate機能の改善?
特定のメトリクスキーや部分的に整列しているコンポーネントのインターポレーションが改善
合成グリフでのブレースレイヤー、ブラケットレイヤーの計算が改善
整列がオフになっているとき、ブレースレイヤーを含むコンポーネントの誤整列の改善
書き出されないグリフでのブラケットレイヤーの分解の改善
Adobeツールに関しての注意
最近のAdobeツールにおけるバリアブルフォントの挙動はバグが多くある
スライダー動かしても変化しなかったり、歪んだり…
バグに遭遇したらAdobeに報告しよう
編集、描画関連
option+ドラッグ時、水平・垂直に近いときorShiftを押すとスナップするようになった
青のコーナーノードをOptionを押しながらダブルクリックしたとき/returnを押したとき、ハンドルが自動で整列しなくなる
optionを押しながらハンドルを操作することで対面のハンドルも操作可能?
ダブルクリックで別のグリフに移動したとき、移動前のグリフのノード選択状況が保存されるようになった
⌘Aの全選択の循環のバグが解消
パス>選択を揃える、また変形パネルの整列でアンカーも整列されるように
変形パネルのSlantのバグ改善
コンポーネント配置などでグリフを検索する際、エンコードされていないオルタネートも検索するように
パス選択後の右クリックコンテクストメニューでoptionを押すと、一部機能が全てのマスターに機能する
全選択してパスを開く/閉じるができるように
Tidy Up Pathsの挙動が改善され、全てのマスターに適用したとき互換性を保つように
GSTidyUpThresholdというパラメータでどのくらい元の形を保つか、整えるかを変更できる
デフォルトは0.005, 0.001から0.03の間にするのが望ましい
ロックされたガイドをロック解除前に削除できないように
グローバルガイドが削除した後、戻せるようになった
画像のクロップを解除できるように
スマートコンポーネントの大幅な改善
「全てのマスターに適用」関連のメニューがスマートレイヤーにも効くようになった
スマートコンポーネントのサイドバーの表示が大きくなり、軸が全て表示されるなど扱いやすく
プロパティのない入力欄が無効化
ASCII外の文字も軸の名前に使えるように
グリフ追加ダイアログのオートコンプリートが改善、ピンインキーボードで動かなかったバグの解消
GSClickTolerance という設定が追加、編集ビューでパスを選択する際、パスの選択範囲がどれくらい緩いかを設定できる
mekkablue scriptのSet Hidden App Rreferencesもしくはマクロで変更できる
Glyphsのオートセーブが単ファイルの.glyphsではなく.glyphspackageになった
これにより保存速度が改善
しかし、glyphspackageはグリフそれぞれでファイルが分かれているのがまとまったものなので、DropboxやGoogle Driveだと同期が重くなる可能性がある
そのため、iCloudとDropboxに対しては自動保存が同期されないように設定される
他のサービスを使っている場合やそれでも重い場合は、以下のコマンドで単ファイルの.glyphsで保存できるように戻せる
その他、細かい改善
アンカーもしくはコンポーネントを削除した際、自動で次のアンカーやコンポーネントが選択されるように
マーククラウド(Parent Glyphsにあるアンカーを選択したときに表示されるDiacriticsのプレビュー)アンカー名が1文字でOKになった→Glyphsは今後チェックしない
マーククラウドが合成グリフでも表示されるように
回転ツールの挙動改善
パスの方向の修正の挙動改善
編集→クリアが編集ビューで動くように、またOptionで全マスターに適用できるように
ブーリアンのパス(特にS字カーブのノード)の挙動改善?
検索と置換のために、グリフ名がダブるのを防ぐようになった
常にParentがないコンポーネントを表示するようになった
undoに関する挙動の改善
望まない整列を避けるため、コンポーネントが多すぎる場合は整列がオフになる
20以上のコンポーネントがあるときのコンポーネントの操作が改善
キャップコンポーネントの挙動を改善、コピペしたときやパスの開始点にあった場合など
45度のこときのOpt移動を修正
フィルター関連
角を丸くするの機能に多くの改善がなされた
マイナスの値を入れると内側の角のみを丸くできる
アクションボタンでCopy PreFilter Parameterを選択できる
PreFilterとは、オーバーラップの削除がかかる前にフィルターがかかる仕様のこと
その他いくつか改善
Shape Orderがコンポーネントの整列を強制しなくなった
角丸の最大値を削除
特に扁平なシェイプにおいて、Hatch Outlineでいくつかのラインが消える問題の修正
いくつかのフィルターでプレビューが表示されなかった問題の修正
その他いろんな改善
Microsoftとの互換性
パワーポイントなどでカーニングが効かない(効くフォントもある)問題があったが、その原因解明と対策がされた
CID/GID/ROS
CIDとは?
Charactor ID
ひとつひとつのグリフに振られる番号
CIDとは別の文字コードであるUnicodeは16進数で表したりする
たとえば「あ」はAJ1ではCID+843、U+3042
https://scrapbox.io/files/6623276af78beb0024075d50.jpgInDesignの字形パネルでCIDやUnicodeを確認できる
AJ1とは?(ROS)
Adobe-Japan1、日本語のためのグリフセット
最新のAdobe-Japan1-7は23,060のグリフを定義している
CIDはどのように付与される?
Glyphsでの付与方法watakatz.icon
グリフ名をNiceNameにする
Unicodeで作成していても変換できる
フォントのカスタムパラメータでROSを設定する
OTFを出力する
Glyphsのカスタムパラメータ「ROS」について
cmap(Character To Glyph Index Mapping Table)をもつフォントの設定
Adobe-Identity-0に設定した場合、使用可能な OpenTypeフィーチャーから GSUB テーブルが生成される(翻訳があやしいtomo.icon)
Glyphs2の日本語ハンドブックでは、GSUBテーブルはフォント情報の「フィーチャー」タブの内容から生成されます、とある
それ以外の場合は Adobe が提供する cmap(後述)と GSUB リソースが使用される
CIDはどのように使われる?
異体字を扱う時tomo.icon
Adobe-Japan1では CID と文字とが1対1で決まっている
Unicode では1つの Unicode 番地に対して複数の字形が存在している
たとえば「あ」はU+3042、AJ1ではCID+843。「あ」のバリエーションのグリフにもそれぞれCIDが振られている、半角CID+526、囲み括弧CID+10030、囲み丸CID+10365など。Unicodeではこれらの「あ」はすべてU+3042
CID+2523(筆抑えありの杖)、CID+20282(筆抑えなしの杖)はどちらもU+6756
フォントによってはどちらも筆抑えなしのこともある
フォントのデザイン方針などによって違うCIDに同じ字形を入れることもある
CIDに含まれない文字は後ろに付け加える
AJに従う場合は過不足なく揃えた方が良い
フォント製作中のやりとりでtomo.icon
Creative 製品における CID フォントサポート終了?
この場合の CID フォントとはPostScriptフォント(のうちsfnt-CID フォントと Naked-CID フォント)のことでOpenType フォントのことではない
OpenType フォントにはname-keyedとCID-keyedがある
GIDとは?
イラレなどの文字パレットでのグリフの並び順
AJ1のフォントだとGIDはCIDと同じ番号になる
Glyphs上ではGID=glyphOrder
最初の4文字は欧文でも揃えた方が良い
.notdef, NULL, CR(改行), space
2番目はスペースを前提としているシステムがあり、そうした方が良いらしい
cmapとは?
フォントが持つそれぞれの文字と、文字コードを結びつけるための対応表
たとえば「永」(Unicode:6C38)を入力するとき。cmapには、「Unicode:6C38」=「GID: 1260」という対応情報が記述されている。OSはこの対応表を参照することによって、「GID:1260」=「永」の文字をフォントから引き出す。
ROSとは?
Registry Ordering Supplement
グリフセット
AJ1もROSの一種、例えばA-J1-7なら下記の意味
登録者(Registry):Adobe
版(Ordering): Japan1(アドビが策定した日本語フォント用グリフ集合の第 1 版)
増補(Supplement):7
和文書体のグリフセットwatakatz.icon
Std:A-J1-3
Pro:A-J1-4
Pr5:A-J1-5
Pr6:A-J1-6 または A-J1-7(後者は「㋿」を含む)
StdNでも「㋿」だけ追加していることがあるtomo.icon
N字形→1-7の場合は同じ文字数
StdNはStdよりも文字数が多い(1-3の範囲外なので)
Unicodeのデフォルトがどちらになるかも指定する
1-7などのNフォント→どちらも入っているが、どちらが優先で表示されるかが決められている
Stdの場合はそもそも入ってない
Adobe-GB1(簡体字中国語)、Adobe-CNS1(繁体字中国語)、Adobe-Korea1(韓国語)などもある
Adobe-Manga1-0tomo.icon
貂明朝アンチックとともに発表された新たな文字コレクション
半濁点のついたかな、連続する感嘆符・疑問符、伸びる音引きのような漫画の文字表現に特化している
Adobe-Identity-0tomo.icon
より自由度の高いROS
CIDとグリフに決まった定義がなく、各フォントで独自で CID を割り当る
源ノ角明朝・ゴシックなどで採用されている
CJK すべてを含んだグリフセットはない
Adobe-Identity-0を採用したフォントは、基本的にAdobe-Japan1に準拠したフォントとは完全な互換性はない。フォントを変更した場合には(おもにその書体特有の文字部分で)文字が正しく表示されないことがある
これがないと日本語だとAdobeアプリに認識してもらえない→CJKのどれかと判断される
そこからどの言語に割り当てられるかはよくわからん
UnicodeはないがCIDは持っているフォント
フィーチャーがついていてそこが対応している
CIDフォントではCIDで一括管理されていて、それで呼び出していた
参考
ディジタルタイプ─文字情報処理基盤の今とこれから─
情報処理基盤としてのフォントの整備 ―源ノ角ゴシック・源ノ明朝の開発―
フォントエンジニア ─フォント技術を支える仕事─