グラフィックシーンの文脈
原研哉『うすらデザイン』
八木:よく他の分野の友達に「グラフィックデザインとは」と聞かれたときに、自分なりに考えるざっくりとした3軸の分け方があります。もちろん、それぞれのデザイナーは、いくつもの文脈を踏まえた上で実践に及んでおられるのだと思いますが、まず一つの軸が、中島英樹さん、秋山伸さん、田中義久さんなど物質的なものに多様なアプローチを仕掛ける方々、二つ目の軸が工芸的な手法で文字や文様を扱う佐々木俊さん、小林一毅さん、鈴木哲生さんなど、三つ目が工作舎の系譜で、図形的に文化史的な背景を取り込むことに巧みな杉浦康平さん、羽良多平吉さん、戸田ツトムさんというふうに分類できるんじゃないかなと考えています。そのように分けると、どうも自分のグラフィックデザインはいずれの延長線上にもないように感じていて。
JAGDAっぽさ
東京TDC賞
賞について:
数日後にはポジショントークになってしまうその前に書いておくと、賞はある種のプロップス経済だと思っている Artists' Artist
すでに世の中で褒められているものに賞を与えても仕方がない、それはただの紅白歌合戦(メ芸黎明期の高畑勲の発言)
土居さん: 賞も映画祭もやはり権威である。埋もれてしまうものを掬い上げるのが賞の役割
大衆の好みはおおよそ単純接触効果によって形作られる。「ポップ」足りうる本質があるのではなく、その時その時代世の中に多く存在する質感が「ポップ」なものとして受容される