進化心理学的なことをすべてに当てはめようとする言説
public.icon
進化心理学的なことをすべてに当てはめようとする言説 進化心理学で説明がつかない振る舞いをする人間を見るとイライラしてくる。ちゃんと進化心理学を学んでサピエンスとして生態学的に合理的な行動をして欲しい。 人間は生物で自然の一部なので、反脆弱であるので、”最適”かどうか 一方で極端なリスク回避 (90%) をおこない,もう一方で極端なリスクテイク (10%) を行う
遺伝子の複製時のランダム性
戒律を守ることは、もしかしたら進化の主人を欺くこと まだ語り得ないのがggkkiwat.icon
だから、そんな強いこと言わないで…という
「社会がこうあるべき」みたいなのを言い出したら、進化論的に叩いても良いと思うけど。
そして流れをぶった切りますが、私が個人的に非常に不意を突かれたのは以下の一節です。
大きな進化が起こるためには自然淘汰が一時ゆるむ必要があることは、淘汰万能論
者の見落としやすい点である。 -P.258
これは「淘汰圧によって良い方向へと進展する」「自然淘汰によって得た進歩は常に最適化である」といった「通俗的な進化論の援用」に際しても、論者たちが見落としがちな点でもあると思います。
「自然科学を胡乱に人間社会に当てはめる前に、まずその科学的側面を真摯に学ぶべし」……という念が湧きます。
まず明確であるのが、ダーウィニズムは右派に好まれて利用されてきた、という歴史的経緯である。たとえば、アンドリュー・カーネギーやロックフェラー2世といった資産家たちは、放任的資本主義を正当化する根拠として適者生存の原理を持ち出していた。また、「有害」な遺伝子の拡散を予防するという名目で医療費を削減して弱者を切り捨てる優生学的な社会政策が主張されてきたという歴史もある。「これまでダーウィニズムを強調してきた連中は自分たちとは正反対の主張ばっかりしてきたのだから、ダーウィニズムに基づいた左派なんてあり得るわけがない」という懸念を左派が抱くことには、もっともなところもあるのだ。 このような懸念に対するシンガー(追記:ピーター・シンガー)の回答は、過去の右派たちは進化の歴史という事実から「社会はこうあるべきだ」という規範を導いていたが、「〜である」から「〜すべきだ」を導くことはそもそも自然主義的誤謬であり誤った論法であった、というものだ。これをふまえたうえで、ダーウィニアン・レフトが守るべき心構えの一つが、「そういうのが本性である」から「それが正しい」へと決して推移しないこと」(p.102)とされる。 (p31~32) 進化心理学はたとえば「孫を可愛がる祖父母が〝多い〟のはなぜか?」という統計的傾向の話をしているんだけど、門外漢には「祖父母なら〝必ず〟孫を可愛がるものだし、そうでない者は生物として間違っている」と言っているように感じられてしまう。そこんところ丁寧に説明しないとダメだよ。普通の人は「ヒュームのギロチン」も「自然主義的誤謬」も「ティンバーゲンの4つの〝なぜ〟」も、知らないどころか言葉すら聞いたことがない。この辺りの前提を共有していない人に、いきなり包括適応度の話をぶつけたら反発を招くに決まっているでしょう。「動物の喩えを出してヒトのことを説明するやつを信じてはいけない」という教えは、ようは「ヒトは動物とは違う」「ヒトは特別な存在」と言っているようなものなので、まあ1世紀くらい遅れた議論だ。それでも、竹内久美子とスティーブン・ピンカーの区別ができない人にとっては良い指針かもしれない。