貨幣は呪物そのものである
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貨幣・貨幣経済は呪物(物神) fetish ・物神崇拝 fetishism の特殊な形態である。より抽象化された近代貨幣が画一的な量的価値を持つのに対し、石貨は固有名を持ち、いつ誰によって作られ、誰の手を経てきたのかという個々の物語を持っている。その伝統によって価値が決まるので、一般に年月を経るほど骨董品的のように価値が上がっていくことになる。これはどちらかというとインフレによって価値が下落しがちな近代貨幣とは逆である。 とすると、貨幣の高い匿名性は近代貨幣のみに通用し、その前に貨幣においては違う側面があったのだろう。