論文の書き方
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タイトル (Title)
内容・対象物を明確に示す
著作名 (Authors)
研究を行った人全員のもの。
要旨・抄録 (Abstract)
50~300語で、問題点、方法、結果、そして結論をまとめたもの
Objectives, Methods, Results, Conclusionsを含める
3つでいうなら
1) 研究の目的
2) 対象と方法、結果
3) 結論
キーワード (Keywords)
論文が抄録・索引サービスで正しく識別されるようにする
序文(Introduction)
背景・仮説を説明し、研究の目的を示す
BackgroundとResearch objectivesに分かれる
研究する問題、問題の背景説明、研究を行う理由について明確に述べる
関連の研究をまとめて前後関係を説明し、自分の論文が既に発表されている論文とどう違うのか、どんな課題に答えているのかを述べる
反論、あるいは支持する他の人の研究結果があれば言及する
実験、仮説、研究する問題点、一般的な実験の計画や方法も、簡潔に説明する
最後に研究の具体的な目的を述べる
ⅰ問題設定(テーマの社会的・学術的意義、(先行研究の整理と批判)、リサーチ・クエスチョンの設定、仮説の提示)・ⅱ論証の方法・ⅲ用いる資料・ⅳ全体の構成
https://gyazo.com/e6b387988cafa314c1e87e09bee6f993
本論
実際に行ったことを書く。本論は大きく分けて、「方法・結果・考察」を書かなければいけない。
方法 (Materials&Method)
目的は、読者が同じ研究を反復できるよう十分な情報を与えること
どのように問題点を研究したのかを説明し、手順を明確にし、それらを可能な限り時間軸に沿って並べる
実験に必要な情報を記述するので、過去形になる(〇〇を用意し△△した)装置の名前や手順、温度や製造会社名などを記載することもある。
一人称を使用しない
結果 (Results)
何を発見したかを説明する
研究から得られた主要な結果のみを示す→取捨選択が重要
結果の分析を述べてはいけない→考察で述べる
実験して得られたデータを示す。このさいに、図やデータを使ってわかりやすく書く。(図の説明も必須)
考察 (Discussion)
研究結果の意味や意義を伝える→研究が科学知識の進歩にどのように寄与するかを説明する
「考察」はレポートにはないので注意。結果を根拠として理論的に導けること。最初の問い・疑問に対する答えを書く。
結論(Conclusion)
目的や結果から導かれたことをかく。どのような意義を命題の分野で発揮できたかを書く。
将来の実験プラン(既に始めているかも含めて)を示す
論文の要約はしない(要約はAbstractで)
謝辞(Acknowledgements)
研究を支援した人が分かるようにする
人じゃなくても研究機関や会社を書くこともある。これと同じような研究をしたい人が「誰を頼ればいいのか」がわかるようにする。
Fundingが独立している場合もある
利益相反 (Conflict of interest)
利益相反の有無を明示する
「利益相反」は産官学連携活動に伴って必ず発生し、これ自体は決して悪いことではない
引用文献 (References)
先行研究の文献や、文献リ
ストなど。書籍や論文誌、インターネットのサイトなど
自分の実験や「常識」で得られない情報はすべて、引用として示す必要がある
補足資料 (Supplementαry material)
専門家向けの補足資料を提供する
論文作成のプロセス
仮説を検証する
①仮説=論文の議論・主張
②仮説を検証、立証する
③リサーチする
論文を書く準備
①議論を整理、再確認する
②論文のアウトラインを作成。
③論文に含めることを選別
論文を書く
推敲する
https://gyazo.com/e948881777ea5d549c93159e0fd99f71
Nature公式、論文要旨の書き方。授業でこれを扱うと国籍問わず大半の大学院生が知らなかったと言うので簡易和訳版を作成。もちろん、Nature以外の論文にも流用する事が可能。注目は、結果に使える文の少なさ(2~3文。全体の20~25%)。和訳の修正案、大歓迎です。 英語版:https://bit.ly/2OBCfN1 https://gyazo.com/b8c48c9eb5a89a4fb6be48c4ebd5a598
Nature Researchの松田と申します。このアブストラクトの書き方について、Nature日本法人の方で作っているPDFもありますので、よろしければご自由にお使いください。下記URLのp11となります。
修士のころ論文らしきもの書いたら、指導教員でもない若手の助教授の先生が真っ赤に添削してくれて感動しました。そのときこれ読んで、って言われたのが「理科系の作文技術」(木下 是雄)。みんな、これ読んでから、論文かいてね!
自分はその本の文科系版『レポートの組み立て方』を参考にしています。文系の方はこちらがおすすめです(同じ著者です)。