生贄を選び出すことによって争いを止める
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from: 世の初めから隠されていること ルネ・ジラール
相手は鏡に映ったような分身だから、人間同士は争う
欲望の模倣理論の模倣対象を破壊しようとする/競争が生まれる
暴力は連鎖する
法体系を持たない未開の社会では、一度暴力が起こると復讐の連鎖になり、絶滅に追いやられる
それはジラールによると「相互的暴力」の伝染である
祝祭では生贄を選出して情念を昇華する
無秩序(相互的暴力の伝染)を抑えるために生贄が必要となる
生贄とは、共同体全員が満場一致で選び出した、共同体から追放された人間である
生贄には「賞で選びだされる」ことも含む
受賞者・有名人とは生贄である
彼らは、外に出て崇められるか、外に出ることで文字通り追放されるかどちらか
争いは「イベント」とみなされ、人々はトランス状態になる
ex: オリンピックは分身の争いを楽しむイベントである
ex: SNSの炎上
そうして共同体には安定と秩序がもたらされる
暴力を追放する暴力は「創設的暴力(foundingviolence)」とも呼ばれる
核兵器の抑止力もこの種の暴力だろう
ジラールは全ての共同体に創設的暴力は存在していると主張する。言い換えると、全ての共同体は暴力によって成り立っている。
「模倣的欲望」は、自分の欲求を他人に委ねるという主体性の放棄を伴うものであり、嫉妬、ライヴァル関係、内輪もめ、恨みを助長することにつながる。それはまた、暴力的なスケープゴート行為にもつながるとジラールは述べている。スケープゴート行為とは、集団や個人に対する迫害を行なう者たちが手を組むことで、さらなる大規模な紛争の発生を未然に防ぐ役割を果たすものだ。
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その「創設的暴力」から逃れる方法はある
ルネ・ジラールは「信仰」であるとする
ピーター・ティールは「脱出」しようとする
テスカトリポカ 佐藤究では世の初めから隠されていること ルネ・ジラールに影響を受けて、資本主義の構造と供儀の構造の共通点を描き出している
参考リンク
「人間は“生贄”を選びたがる。それは五輪でも」新直木賞作家・佐藤究が凄惨な暴力描写に込めた思い
ニック・ランドと新反動主義 木澤佐登志
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