構造/機能
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養老孟司入門 布施英利
脳と心の問題(=心身問題)は、構造と機能の問題に帰着する
構造は、身体の一部(モノ)で、解剖できる
機能は、解剖できない
「身体・脳/意識・心」「心臓/血液循環」「肺/呼吸」「腎臓/排泄」
意識・心は機能
構造は視覚系、機能は聴覚系
これは「瞬間/持続」「空間/時間」に対応している
構造は瞬間、機能は持続
構造は空間、機能は時間
脳は心の「原因」ではなく、心の示す機能に「対応する構造」として捉えられる。
養老はさらに話を進めて、「構造とは、脳なら脳を、より視覚系寄りに扱うやり方であり、機能とは、同じものを聴覚・運動系寄りに扱うやり方」だと論じる。 「構造は視覚系、機能は聴覚系」とは、「構造とは空間の中にあり、機能とは時間の中にある」ということでもある。構造と機能は、空間と時間であり、次元が違う。同じ現象を空間的に解すれば構造となり、実在論になるが、時間的に解すれば機能となり、目的論になる。
養老の説く「唯脳論」は心身二元論でも一元論でもなく、理解するには、今西錦司.iconが構造即機能と説いたときのような即非の論理を用いることになる。
@freakscafe Mar 17, 2021