分人
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アイデンティティー
対人関係ごとの様々な自分のこと
相手との反復的なコミュニケーションを通じて、自分の中に形成されてゆく、パターンとしての人格
平野啓一郎で日本では広まったが、ジル・ドゥルーズの概念
「個人」という概念は「キリスト教の神との垂直軸関係」「論理学での最小単位」から生まれた
自己同一性を前提としている
・ドゥルーズが示した新しい社会のあり方を、実際に実現させていこうという主張をした著作が、『なめらかな社会とその敵 鈴木健』である。例えば、個人概念に依拠した社会では選挙の投票権は一人一票だが、分人概念に依拠した社会では一人10票でもいいのではないか、という主張である。
平野啓一郎さんは「愛とは何か」ということも分人主義で定義しています。「相手の何か」が愛おしいというよりも、その「相手といるときの自分」「相手によって引き出される分人」が好き、というのが「愛」なのではないか。心地いい自分、落ち着く自分を引き出してくれるから、その相手が愛おしく、それが「人を愛する」ということだ、と定義しているのです。
from 分人主義とは何か - 未唯への手紙
分人の姿は精神疾患である多重人格(解離性同一性障害)を連想させますが、多重人格では個々の人格の主体としての〈私〉が解離され分断されてしまう点において、あくまで〈私〉の同一性が保たれている分人主義とは異なります。分断された複数の〈私〉がそれぞれの人物像をもつ多重人格こそが、戯画的に個人主義に呪縛されているのです。
ドゥルーズ哲学は分人主義なのか──le dividuelを検討する──(内藤慧) - YouTube
出典
『私とは何か---「個人」から「分人」へ』著者:平野啓一郎 ~諸悪の根源は「個人」~
空白に存在の原点を問う(野間俊一)