不均衡を対等にしようとする実践
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[論考]反自動化経済論 無料はユートピアをつくらない from: ゲンロン12 小川さやか.icon 互酬の即時的な均衡を追求すれば、贈与交換は市場交換へと近づいていく。友人間の贈与交換や分かち合いで重視されるのはむしろ、均衡を気にかけていることを表面化させない諸々の知恵や工夫である。そこでは、均衡が崩れても互いの対等性を損なわないよう、「粗品だ」「ついでだ」と謙遜したり、「出世払い」などと返礼までの期間を曖昧化したりすることで、両者のあいだで過度な負い目や権威が発生しないようにする細やかな実践が行われるものだ。実際、贈与や分かち合いが日常化し、それが日々の生活の最大の関心事となっている社会では、負い目や権威の発生を操作する実践が、宗教や政治、文化のあらゆる側面に埋め込まれている。私が調査していた零細商人たちの社会にも「感謝を待つな。ラバの感謝は後ろ蹴りかもしれない」などの格言があっただけでなく、贈与交換や分かち合いなどなかったことにしながら、それらを回す実践が無数に展開していた。その主要な方法のひとつは、市場交換あるいは資本主義経済との独自の接続である。(p227) 「純粋贈与」として扱えるようにする、ということ、、ggkkiwat.icon 彼ら(パキスタン人)が会いたいと恋しがる頃に会いに行く 自分たちを対等だとみなしていない人々に対しては「扱いやすい人間」にならないことが肝要