オブジェモンド
public.icon
豚を大量に飼い、飼料を同じルートで仕入れて囲い込んで、というシステム(追記:畜産)がそのまま口蹄疫などの爆発的感染、豚の大量虐殺に転じてしまう。。こういうのをミシェル・セールはオブジェ・モンドと呼んだ。これと同じことが、人類の文明、都市文明に対して世界的に起こっているのが現状だよな。世界規模に影響を与える対象、オブジェ・モンドは原発のようなものやタンカー、飼育場などでもあると言ってるよな。人間の飼育場たる都市が今爆発した原発、ひっくり返ったタンカーみたいになっている。 ところで、セールが『自然契約 ミシェル・セール』という書物で提示した興味深い概念に、「オブジェモンド(objet-monde)」というものがあります。オブジェモンドは世界-対象物という意味で、たとえば、大型タンカーとか、原子力発電とか、動物の飼育場とか、通常は非常に効率的に動いているんだけれど、それが一たびひっくり返ると世界的な影響をもたらす、環境に重大な負荷がかかる、そういった対象物のことです。そういう対象物を人類はすでに夥しく持っていて、それらは非常に効率いい生産のシステムではあるんだけど、たとえば大規模な飼育場などは、疫病にとっても最も好都合な環境であって、口蹄疫などが一旦蔓延すると大量に豚が殺処分されたりするという状況にもなる。その豚と同じ状況に、いまや人類自体もきていると思うわけですよ。(p188) 相互依存的な関係を無視して、均質的な型に閉じ込めようとしているのが問題な気がする