リビング・メモリー
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ヤースラニ荒野を巻き込み部分的な世界統合により出現したヘリテージファウンドの一角にエバーキープと呼ばれる巨大な塔がある。十二層からなるこの塔の内部にはソリューションナインと呼ばれる大きな都市などが存在し、鏡像世界に遺された上層階にあるアレクサンドリアの城下町のような位置づけになっているのだがその実態はエレクトロ―プ技術を応用し抽出し電子的に記録した魂の管理を行う施設である。原初世界に現れたエバーキープの屋上には鏡像世界へと続くゲートが存在し、そのゲートの先にあるのがリビング・メモリーである。
リビングメモリーは玄関口であるメインターミナルを含め5つのエリアに分かれていて、それぞれのエリアにはメインターミナルを経由して移動する事が出来る。
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リビング・メモリーは元々生きた人のための施設だったそうだが、現在は死者の魂を電子的に記録したデータベースのようなものとなっており、魂が尽きて亡くなった人たちの記憶を元に生体エーテルで形状が形成され、再現された永遠人らが棲まう場所となっている。アレクサンドリアには「人が死ぬのは忘れられた時である」というヨカフイ族に似たような死生観があり、その死生観がこのような肉体が死んでも魂を復元し存在させる施設の創設に繋がっているのではないかと考えられる。
だが当然ながら永遠人はその形状の維持にも生体エーテルが使用されためその維持には大量の生体エーテルが必要となる。つまり一度死んだ人の残滓を維持するために生きている人の命を奪い続けなければならないという大変大きな問題を抱えている。また魂管理システムであるリビング・メモリーがシャットダウンされるとデータが消失するので、シャットダウンは保存された魂の死を意味する。
またアレクサンドリアに生きるすべての人が必ず永遠人になれるわけではない。永遠人になれない死者はその家族も含めた国民全員の記憶からその存在に係わる記憶を抹消されるのだが、これは一説によるとアレクサンドリアの死生観と悲しみや苦しみからの解放とも言われているが、実際の所、全員がリビング・メモリーに行ける訳では無い事実の隠蔽の意図やその外形の維持には生者の犠牲の上にある生体エーテルが必要な事実とあながち無関係ではないのではないかとの噂もある。