抑制電場
#用語解説
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抑制電場(retarding electric field)は、プラズマ内の高エネルギー電子の成長や運動を制御するために、電子が移動する方向とは逆方向にかける電場のことです。この電場は、電子サイクロトロン加熱(ECH)を利用してプラズマの電流を立ち上げる実験で使用され、電子の加速やエネルギーの過度な増加を防ぐ役割を持っています。
具体的には、トカマク装置の中で、電子がトロイダル方向(ドーナツ状の円環の方向)に移動する際に、その方向とは逆向きに電場をかけることで、高エネルギー電子の成長を抑え、バルク電子(比較的低エネルギーの電子)に効率的にエネルギーが吸収されるようにします。これにより、プラズマ全体の温度が効率よく上昇し、安定した電流の立ち上げが可能になります。
関連論文
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