FIREモード
#用語解説
chatGPT.icon
🔥 FIREモードとは?
FIREモード(Fast Ion-Regulated Enhancement mode) は、韓国のトカマク装置 KSTAR において発見された新しい閉じ込めモードです。2022年にHanらによって初めて報告され、Nature誌に掲載されました。
🔧 特徴
FIREモードの主な特徴は以下の通りです:
table:table
特徴 内容
高速イオンに依存 Neutral Beam Injection(NBI)によって供給される高速イオンが、エネルギー輸送を抑制する中心的な役割を果たします。
内部輸送障壁 (ITB) プラズマの中心領域に輸送障壁が形成され、コアの温度が10 keV近くまで上昇し、良好なエネルギー閉じ込めが得られます。
ELM(エッジ局在モード)が発生しない 高性能にもかかわらず、タイプI ELMが発生しないため、ITERなどの大型装置における壁損傷リスクが低減されます。
Hモードを回避 FIREモードはHモードとは異なるルートでアクセスされ、Hモード遷移を避けることができる設定で運転されます。
📌 どうやって実現するの?
中性粒子ビーム入射(NBI):コアに高速イオンを注入して内部輸送を抑える。
低密度で運転:Hモード遷移の閾値以下に抑えることで、ELMの発生を回避。
不利な∇Bドリフト構成(USN):意図的にHモードになりにくい磁場構成を選ぶ。
🔬 FIREモードとIモードの関係
今回の論文では、FIREモードのエッジ領域がIモードの特徴(温度ペデスタルあり、密度ペデスタルなし)を示すことが初めて明らかになりました。つまり、
コア:FIREモード(高速イオンによる輸送抑制)
エッジ:Iモード様構造(非ELMペデスタル、WCMの出現)
というハイブリッド的な構造を持つ、非常に興味深い閉じ込め状態なんです。
もっと詳しく知りたい部分(ITB、WCM、∇Bドリフトなど)あれば、何でも聞いてください!