C-2W
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C-2Wとは?
C-2W(通称「Norman」)は、TAE Technologies社が開発した、ビーム駆動型反転磁場構成(Field-Reversed Configuration, FRC)プラズマを生成・維持するための核融合実験装置です。この装置は同社の第五世代核融合デバイスであり、現在も運用が続いています。C-2Wは、FRCプラズマの高温化、長寿命化、安定性向上を目指して設計された世界最大級のコンパクトトロイド装置です。 基本構造
C-2W装置の全長は約30メートルで、以下のセクションに分かれています:
1. 中央閉じ込め部(Central Confinement Section)
半径約0.8mのInconel(インコネル)製の壁があり、外部磁場制御が容易な設計。
2. ダイバータ部(Divertors)
プラズマ粒子やエネルギーの排出を行う4つのダイバータを備え、内蔵された極低温ポンプでガスや粒子の排気効率を向上。 3. 形成部(Theta-Pinch Formation Sections)
FRCプラズマの初期形成を行うセクションで、クォーツ製の筒(長さ3.5m、直径0.6m)が使用される。 4. 中性粒子ビーム(Neutral Beam Injectors, NBIs) 動作原理
C-2Wの核となるFRCプラズマは、反転磁場構成と呼ばれる特殊な磁場閉じ込め構造を持っています。以下はFRCプラズマの特徴と、C-2Wの動作原理の詳細です: 1. 反転磁場構成(Field-Reversed Configuration, FRC)
高速中性粒子(Neutral Beam Injection, NBI)がプラズマに注入され、内部で高速イオンが循環することで電流を駆動し、プラズマの持続と加熱を行う。 ビームのエネルギーは15–40 keVで調整可能で、これによりプラズマ内の速いイオンを増やし、安定性を強化する。 3. エッジバイアス(Edge Biasing)
プラズマの境界部(開磁場線領域)に電圧を印加し、プラズマの回転を制御。これにより不安定性を軽減し、エネルギー閉じ込め性能を向上させる。 4. 外部磁場制御
外部の磁場プロファイルを動的に変更し、プラズマの形状や位置を調整する。Googleの「Optometrist」アルゴリズムを活用して磁場を最適化し、プラズマ性能を向上させている。 C-2Wの特徴と成果
1. 大規模装置
世界最大のFRCデバイスであり、高温・長寿命のプラズマを生成できる。 2. 優れた性能
トータルプラズマエネルギーが13 kJに達し、電子温度は1 keVを記録(初の達成)。 3. 安定な運用
高温・長寿命のプラズマを繰り返し生成可能で、信頼性の高い運用が確立されている。 意義と目標
C-2Wは、次世代装置「Copernicus」開発に向けた実験的な試験台としても利用されています。これにより、進行的な燃料(例:水素-ホウ素)を用いた経済的で安全な核融合炉の実現を目指しています。また、FRCの高温化や安定性向上が達成されれば、将来のコンパクトで簡素な核融合炉設計への道が拓かれると期待されています。 プラズマパラメータ
1kev, 40ms