「どのように」よりも「なぜ」が大事なのは意思決定の問題だから
「どのように」よりも「なぜ」が大事、とは何を言っているか。「どのように」と「なぜ」の違いから考える。
「どのように」は対象の構造に内在している。それをどう利用できるか、メリット・デメリットはなにか、などについては対象だけあれば議論できる。特に、メリット・デメリットは「なぜ」を表現していない。
「なぜ」は環境・状況・価値基準と対象との関係性の設計である。対象だけでは議論できない。メリット・デメリットは価値基準との関係において理由になり得る。それは考えて意思決定することだ。脳に障害が出て感情を失うと晴れと雨どちらがよいかを判断できなるなるという。晴れや雨を理解できないのではない。感情は価値基準であり、これを失うことで「なぜ」を導くことができなくなるのだろう。
「なぜ」を考えるとき「どのように」を考えることになっていないかに注意したい。対象に閉じた議論をしていれば「どのように」で止まっているかもしれない。「なぜ」を導くには対象の外に考えを広げていく必要がありそうだ。