技術記事を書くときに気にしていること
#プログラミング について、Zenn、Qiita、テックブログで文章を書くときに自分が意識していることが色々あるが、完全に暗黙知と化しているので、人に共有しやすいようにメモしていく。 スライドを作るときなんかにも使えるはず。
基本的に、想定読者は同業者とする
技術記事は「同じ悩みを抱える同業者にアプローチする」ことを目的に書く
同じ悩みを持つ同業者の言葉がいちばん役に立つ
そういうものを定期的に出すテックブログは発信組織の信頼にもつながる
同業の Web エンジニアや UI に携わるデザイナー、あるいはそれらを目指す学生たちを念頭に置く
分野によってはこの想定は不要
彼らにとっての読みやすさを意識する
それ以外の人にとって読みやすい必要はまったくない
むしろ分かってない人からコメントが来るのが嫌なので、読めないほうが良いとさえ言える
初心者にやさしくしつつ、部外者をふるい落とす
人に教えるコンテンツの場合ちょっと変わってくるが、それもあくまで前提知識のラインが変わるだけのはず
読んだ人の理解度が 0 か 100 かにきっぱりと分かれる文章を書くのが理想の発信である
理解度 20 ぐらいの人が一番信用できない
ごく一部のわかった部分に乗っかって無理にコメントしようとする姿勢から変なコメントが生じる
「この記事に適当なコメントをするとマズい」という遠慮を相手に生じさせるぐらいがちょうどよい
想定される感想やコメントは、本文中でできるだけ潰すようにする
100 以上のはてブを目指さない
そもそも狙って目指せるものでもないのだが……
バズを舐めてはいけない(それなりに敬意を払う)
いざ延びたときにどうするか、の知見が私にはあまりないわけだし
とはいえ、体感はてブで 100users を超えると変な人が増え始める
逆に 50~70 users ぐらいで止まったときに一番「うまく行ったな」と感じる
したがって、「もっと上を目指そう」という欲求が自分の場合は働きにくいようだ
↑ の読みやすさの問題とも関連するが、一定以上の読みやすさは発信の継続性を損ねるので避ける
#Twitter でいうと、「フォロワーのフォロワー(の中で自分のことを知らない人)」に高く評価されるぐらいを目指す 身内受けは超え出つつ、キャズムは超えないラインを狙う
しかし、一定のフォロワー数を超えた人にとっては「身内受けを超える ≒ バズっている」みたいな、中間の存在しない状態になってるケースもあるのかもしれない
それでも可能な限り、この「中間領域」を大事にする
主張の立場をぼかさない
「結局すべてはトレードオフで銀の弾丸はないので〜」みたいなフレーズを最後に書かない
絶対に台無しになるからやめたほうが良い
私は人の文章でこのフレーズを見るたびに台無しだと思っている
論文の書き方系の本でもそういうのはやめろと言われるはず
「バランスが大事」というフレーズは自戒か説教ぐらいにしか用途がない
人に読んでもらう文章に自戒や説教を入れないほうが良い
そうではなく、やったことの条件を明示する
「〇〇 はこういう条件のもとでは経験的にうまく行く、実際に弊社の △△ ではこうしている」という風に書く
自分がとったバランスの軌跡を明示する。それは貴重な知見であるはず
この文章を読んで「そんなの場合によるだろ」とコメントしたくなる人がいたとしたら、なってしまう方が明らかに悪い
「情報(information)」をまとめるのではなく「知見(notion)」を発信する
知見とは、知識 + 意見 の複合である
どういう立場でやった結果どう見えたか、という主観的な要素が入る
逆説的に、誰が見てもあてはまるような「情報」を目指して書くと記事の #価値 =情報量が下がる 前者は公式ドキュメントとかに任せれば良い
公式ドキュメントとは別に技術記事が存在すべき理由は、それが「知見」だからである
もちろん、煽った文体にする必要はない
まぁ最悪なっても良い
主張が存在しなくなるよりは遥かにマシ
むしろ「これを煽りと感じるほうが悪いだろ」と思えるまで推敲を頑張るのが大事
が、たくさんシェアされてキャズムを超えるとこの論理が通用しなくなるので注意する
思いっきり立場を明確にした方がクオリティを上げやすいので、クオリティをあげたければ読者をふるい落とした方が良い