精神薬のリスク
何年にもわたって多くの患者を診てきて、精神科の薬を飲むと苦痛な感情からは一時的に逃れられるが、自分が感じられる感情の幅が狭くなった、 特に深い嘆きや畏怖の念といった強力な感情を感じる力がなくなってしまったと言われることがあった。ドーパミン中毒 アンナ・レンブケ 136ページ 世界に適応するために自分自身を薬漬けにしているが、 私たちはどんな世界に住んでいるのだろうか。 痛みや精神疾患を治すという名目で、私たちは人口の大部分を、 実際には耐え難い状況にあるのにそれに生物学的に無関心になるようにしてしまっていないか? さらに悪いことには、向精神薬は人々、 特に貧しい人や失業者、市民権を奪われた人を社会的にコントロールする手段になってしまっていないだろうか? 向精神薬は貧しい人々、特に貧しい子供たちに対して多く処方されている。ドーパミン中毒 アンナ・レンブケ・138ページ どうか誤解しないでほしい。 薬物療法は命を救う道具であり、 臨床的実践の中で使えることに私は感謝している。しかし、 人間の苦しみを薬で除去することには犠牲がつきものなのだ。 これから見ていくように、 薬を使う以外にもっと上手くいく方法がある。 苦痛を受け入れる、 という方法だ。ドーパミン中毒 アンナ・レンブケ 141ページ