特例法
特例法はまず、戸籍の変更にあたって2人以上の医師による 「性同一性障害である」という診断を求めている。それに加えて、以下の5つの条件がある。 1、 18歳以上であること2、いま結婚していないこと3、未成年(18歳未満)の子どもがいないこと4、 生殖能力を絶対に持たない状態の身体であること 5、外性器の外見(見た目)が、書き換える先の性別の外性器と似ていること目 トランスジェンダーQ&A 素朴な疑問が浮かんだら高井ゆと里周司あきら • 74ページ そもそもこの外観要件は、 公衆浴場の混乱を防ぐためという理由で設けられたものだ。 陰茎を備えた人が女性の公衆浴場に入って、 周囲の利用者が驚いたり、 羞恥心を抱いたりするのを避けるという目的のために、 特例法は陰茎の切除術を性別変更の要件に設定してきた。でも、そうした混乱を防ぐためなら、 浴場の事業者が身体についてのルールを設けるだけでも達成できるし、厚労省もそうしたルールに後ろ盾を与えている。 ほかにも、時間を区切るとか、空間を区切るとか、いろんな手段でこの目的は達成できるはず。にもかかわらず、「お風呂が混乱するから全員陰茎を切れ」なんて、まったく信じがたい要求を特例法は続けてきた。 人の身体をなんだと思ってるんだろう。トランスジェンダーQ&A 素朴な疑問が浮かんだら高井ゆと里周司あきら・82ページ