探究思考と確認思考
テトロックは、まったく異なる二種類の慎重な思考の様式を見出している。一方の「探求思考」 は 「多様な観点からの公平な思考」で、他方の「確認思考」は「ある特定の見方を合理化しようとする片寄った思考」である。説明責任を全うするにあたって探求思考がより大きなウエイトを占めるようになるには、次の三つの条件が満たされねばならない。 ① 意思決定者は、 意見を形成する前に、聞き手の前で説明が必要だと心得ている。 ②聞き手の考えは不明である。 ③ 意思決定者は、聞き手が十分な情報を持ち、正確な説明に関心を抱いていると認識している。 これら三つの条件のすべてが満たされると、意思決定者は全力を尽くして真実を知ろうとする。聞き手が知りたいのは真実なのだから。 しかしそうでない場合(ちなみに三つの条件が満たされることはほとんどない)、説明責任が求められているという圧力は確認思考を増やすだけであり、 その人は、正しくあろうとするよりも、正しく見えるよう努力する。社会はなぜ左と右にわかれるのか ジョナサン・ハイト ・ 位置1809 「意見を形成する前に」が非常に重要な気がする。