性差
最近では、性差などというものは育てられ方と悪しき家父長制度の産物であり、表面的なものにすぎないという考え方が主流だ。 大人の男性が反社会的行動をとるのも、 女性の子育てに対する姿勢も、すべては彼らを育てた親の責任ということだ。 だからその気にさえなれば、 男の子を女の子のように育てることも可能で、そうすれば世界はより良い場所になる、という話だ。 その結果、 男女の違いは直視せず、 共通点ばかりに注目する傾向が顕著になった。 攻撃性の権威であり進化心理学の第一人者であるジョン・アーチャーはこれを、 「男女の違いはすべて無視して、二本の腕と二本の脚があるから男女の体は同じ作りだと言っているようなもの」と冗談交じりに語っている。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー 327ページ