好きとほしいは違う
ベリッジらの実験が明らかにしたのは、薬物に対する「好きであるということ(好感liking)」と「欲しいこと(渇望wanting)」は別物であるという事実だった。好きなだけでは依存症とは言わない。依存症患者というのは、摂取している薬物が好きな人のことではなく、むしろ生活を破壊する薬物への嫌悪感をつのらせながらも、たまらなくその薬物を欲しがる人のことなのだ。渇望は好感とは比べものにならないほど排除しにくく、だからこそ依存症の治療はこれほどまでに難しい。
アダム・オルター. 僕らはそれに抵抗できない (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1614-1619). Kindle 版.
ベリッジは「人間は意思決定をするときに、好きかどうかということよりも、欲しいという思いを優先させる」と述べている。「欲する気持ちのほうが強く、大きく、広く、パワフルだ。好きだという気持ちは解剖学的に見ても微小で脆い。別の対象へと簡単に気が散りやすいし、脳の極めて小さな領域しか占めていない。それとは対照的に、欲しいという強烈な気持ちが起きると、遮るのは困難だ。いったん薬物が欲しくなったら、ほとんど揺るがなくなってしまう——たいていは最低1年、もしかしたらほぼ一生にわたって欲しがりつづける」
アダム・オルター. 僕らはそれに抵抗できない (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1619-1624). Kindle 版.
人間は行動に対して喜びを感じなくなっても、同じ行動を続ける場合があるのだ。No.3300
不倫なんかも同じ。やめられない。
楽しいと楽は違うよ