培養肉
培養肉の開発が、 水、 土地、 気候変動、 それぞれの危機を軽減するために効果を発揮することは、 数値的にみれば疑いえないだろう。 培養肉ベンチャーのモサ・ミート社は、 自社ホームページで「ライフサイクルアセスメント」という研究所の二〇二一年二月の報告を引用している。 「仮に、 通常の牛肉が培養した牛肉に全部置き換われば、気候への影響を九二パーセント、 大気汚染を九三パーセント、 土地の利用を九五パーセント、 水の使用量を七八パーセントほど削減できる」 (2)。 しかも、牛の屠畜もゼロパーセントになる。 ちなみに、俳優のレオナルド・ディカプリオも、二〇二一年に、アドバイザー兼出資者としてモサ・ミートのプロジェクトに参画している。日本からは、三菱商事が出資者として参加している。現代思想2022年6月号 特集=肉食主義を考える——ヴィーガニズム・培養肉・動物の権利…人間-動物関係を再考する・培養肉についての考察 藤原辰史257ページ