友人関係の男女差
けれど一つ、男女で大きな違いがあった。 女子の場合、 友人関係の維持に最も効果的なのは対面であれ、電話であれ、とにかくおしゃべりをすることだった。 いっぽう男子では、 友人関係の維持におしゃべりが与える影響はまったく、そうみじんもなかった。 男子の友人関係維持に最も効果があったのは、 何かを一緒にすること、 すなわちパブに行ったり、フットサルをしたり、登山をしたりと、それまでやっていたことをより頻繁にすることだった。いっぽう女子の場合、 もちろん何かを一緒にすることも友人関係にはプラスだが、その効果の度合いは男子ほど高くなかった。 それまで一緒にしていた活動に今まで以上の時間を割いたところで、それまでの友人関係が維持されるのが関の山で、一緒におしゃべりするほどには、あるいは男子同士が一緒に何かをするほどには、関係性の質は上がらなかった。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー ・ 125ページ 同様の結果は、 ズビクニェフ・スモレダとクリスチャン・リコッペがフランスの三一七世帯の電話を分析した際にも、報告されている。 電話が利用されている時間の三分の二は、 女性による利用だったのだ (彼女たちがパートタイムまたはフルタイムで働いていても、一日中在宅でも関係なかった)。通話時間ではなく、通話回数でも、その世帯の女性は男性より二倍から三倍多く電話をしており、 電話の相手で特に多かったのは、その女性の年齢や子どもの有無に関係なく家族だった。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー・126ページ また、たんに社交スタイルが違うだけなのに、 発された言葉から受け取るメッセージが男女で違うために、争いに発展することもある。 たとえば男性の友人関係はその会話スタイルと同様に対立的で、 相手をからかうジョークを言ったり、 お互いにやり込めたりすることが多い。 これは男性の目にはフレンドリーに映るが、 女性にすれば脅されているように感じ、 攻撃を仕掛けられているようにさえ思える。 だから女性は男性よりも、 そのような行為に怒りを覚えやすいのだ。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー 365ページ 若い人たちがソーシャルメディアに送ったメッセージを後悔する理由には、 自分が書いたものを見直すことが少ないということもあるだろう。 特に男性はその傾向が強かった。 自分が書いたものをつねに確認すると答えたのは女性では四○パーセントだったが、 男性はわずか二五パーセントだった。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー ・413ページ