共通の敵
共通の敵をつくることで「それとは違う人が集まる場所」ということでレイヤーをそろえることができる しかしピーター・クリメックとシュテファン・サーナーが、オーストリアのオンライン・ゲーム 〈Pardus〉のヴァーチャルな世界で四カ月間、 約七万八〇〇〇組の三者関係を検証した結果、 一般的なのはこの四タイプのうちの二タイプだけであることがわかった。 その二タイプとは、プラスの友人関係三つで構成された三者関係(本来予想される数のほぼ三倍あった) と、 仲のいい二人と共通の敵一人の三者関係 (本来予想される数の三分の一だった)だ。いっぽう安定性が低い二つの三者関係 (互いに嫌いあっている三人と、 仲のいい二人が二組いるが各組の一人が互いに嫌い合っている三人) の数は少なかった(三者関係全体のわずか五パーセントから一〇パーセント)。言い換えれば、全員の仲がいい三者関係は安定しているだけでなく、 その数が異常なほど多く、どうやら社会ネットワークの基盤は、この三者関係と単純な二者関係 (仲のいい二人と共通の敵一人)でできているらしいのだ。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー ・ 98ページ 「世間」は、まとまりを強くするために、意識的にも無意識的にも、「仲間外れを作る」のです。/ 逆に言えば、「世間」のまとまりを強くしたい人は、外部か内部に「仲間外れを作り」ます。そうして、「世間」のメンバーの意識を、その人に集中させるのです。「空気」を読んでも従わないp.101 欠点
敵を常につくりつづけなければならない
敵をつくるだけでなく定期的に思い出させなければならない
誰が敵かを結局、権力者が決めることになる
それに保身に走った大衆が従うだけ
人間関係がこじれると「敵」認定による排除が起きる