人権が大事の問題点
人権が大事なのは間違いがないのだけれど、ことさら「人権」という言葉を使ったり無反省に繰り返す【だけ】だと、それが差別へとつながってしまう危険性がある。 まず種差別を不問にする効果がある。なんせ「人」権なので。rightsはわかるがhuman rightsはanimal rightsへの配慮あってこそなのにhuman rightsとrights一般が等値であるかのように思わせてしまう。 「人であれば誰でも持つ権利」は大事だが、他方で自分が権利を認めたくない、否定したい対象を「非人間化」(dehumanization)、「動物化」する動きから目をそらしてしまう。(「それでも人間か」) スナウラ・テイラーが指摘する通り、障害者差別や、他のあらゆる差別が、相手を「通常の人間より劣るもの」つまり「人間でない」「動物である」とすることで肯定されている。