モノ化
他者に対する影響力を行使して目的を達成していくことが求められる「権力者」は、とりわけ道具的な他者認知の必要性が高いと考えられる。ここでいう権力(パワー)とは、資源に対するコントロール能力や、罰や報酬を与える能力、すなわち、他者に影響を与える能力のことを意味する。私たちは、他者への正当な影響力を持つ人に対して、それを行使して課題を解決するようにと期待する。例えば 会社の経営者として選ばれた人たちや、政治家などにい対してだ。
また、そのような立場に置かれた人たち自身も、課題解決を意識し、自らの行動をそのために変えていくので、目標達成の可能性を高めるような対象へ接近しようとする傾向が強くなる。そうだとすると、権力を持つことにより、他者を「目標達成のために貢献してくれるのか」という視点から評価、選択する可能性が高くなる。すなわち、自分の目標達成のために貢献してくれるのか」という視点から評価、選択する可能性が高くなる。すなわち、自分の目標達成に役立つかどうかという他者の道具性に敏感になり、高い道具性を持つ他者を好意的に評価するようになるのである。なぜ心を読みすぎるのか みきわめと対人関係の心理学 pp.195-6