トリガー・ウォーニング
清水: たとえばアメリカの大学なんかで、 「ジェンダーの授業をやっています、 セクシュアリティの授業をやっています、これから映像を見せますけれど、 この映画には性暴力のシーンが出てきます」と。そのとき、 「どうしても見たくないという人は、たとえば映像を見なくてもいいし、あるいは授業で聞くのがつらいとかだったら、一旦退席してあとから言ってくれれば、個別に対応します」みたいな対応をする。 この 「こういうのやりますから気をつけてね」を「トリガー・ウォーニング」と言います。 「トラウマ (心の傷) のトリガー (刺激するきっかけ)についてウォーニング (警告) する」 みたいな。この「トリガー・ウォーニング」 をどこまでするか、というところで、 問題になってくるようなのです。清水晶子,ハン・トンヒョン,飯野由里子. ポリティカル・コレクトネスからどこへ 75ページ