トランスジェンダーと貧困
まずは貧困と就労について。 日本の認定NPO法人虹色ダイバーシティと国際基督教大学ジェンダー研究センターが共同で実施した2020年の調査によれば、 トランスジェンダーの回答者の17.3%が 「仕事をしていない」 状態だった。 その割合はシスジェンダーの異性愛者 (5.7%) の3倍にあたる。 他方で 「在職しているが、 病気、出産、育児などで休職中」 の人は3.8%いて、シスジェンダーの異性愛者 (1.8%)よりもかなり高い(2)。トランスジェンダーQ&A 素朴な疑問が浮かんだら高井ゆと里周司あきら ・ 95ページ こうした就労の状況は、 当然収入にも直結する。 同じ調査から、 年収200万円以下に該当する人の割合を抜き出すと、FtM(トランス男性) 34.3%、 FtX (出生時に女性を割り当てられたノンバイナリー Xジェンダー)50.4%、MtF(トランス女性) 34.8%、 MtX (出生時に男性を割り当てられたノンバイナリー・Xジェンダ-) 32.0%だった。 これは、シスジェンダーの異性愛女性 19.1%、 シス異性愛男性 4.7%と比較すると、かなり高い割合といえる。トランスジェンダーQ&A 素朴な疑問が浮かんだら高井ゆと里周司あきら ・ 96ページ