スタグフレーション
「スタグフレーションという言葉を僕が考え出したのは、 この言葉ができるまでずっと、 経済学者たちが、インフレと景気停滞とは同時には存在しないと主張し続けていたからだ。 起きるのはインフレか景気停滞かのどちらかであって、 両方がいっぺんに起きることはない、とね。 だけどきみの話から、この国の経済が新たな双子の要素を生みだしたことがわかった。 今度の双子は社員レベルで生まれている。 “退屈〟と “不安〟という双子だ。 きみは、この二つは、同時には生じないと思うだろう。 だけど、違う。 人々は、したくもない仕事をし、同時にそれを失うことを恐れているんだ」 私たちはさらに話をしたが、 最後に彼は現代の状況を職業的スタグフレーションと名付けた。 かつての社員は、責任が重くなればその分、報酬も増えた。 しかし近ごろでは、ますます多くのものが要求されるのに、 給料はあがらなくなっているのである。仕事は楽しいかね? デイル・ドーテン ・20ページ