ザ煩悩
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笑い飯 哲夫による仏教悩み相談。哲夫らしさはあるが、もうこれ完全に仏教の解説本。悩みはあまりシリアスではなく、すっごく適当に誰かが本のために書いたような薄い悩みが多い。でも、確実に仏教の知識だけは増える。哲夫自身が元からかなり仏教的なアティチュードしてる。 原因と結果の関連性が、やはり仏教の根幹を貫いています。 お釈迦さんが悟らはった教義に、 四諦というものがあります。 四つの真理という意味です。四諦は、苦諦、集諦、滅諦、道諦に内訳されます。苦諦は、世の中は苦しいことばかりだという真理です。集諦は、苦しいことには原因があるという真理です。 滅諦は、その原因を滅することによって苦しみが滅するという真理です。 道諦とは、その原因を滅する方法があり、 それが八正道だという真理です。笑い飯 哲夫ザ煩悩・59ページ 仏教には、十悪というのがあります。十悪は、殺生、偸盗、邪 OBJ、妄語、両舌、悪口、綺語、樫貪、瞋恚、邪見の10個になります。 十善戒の不のないやつですね。つまり、 やってはいけない十大項目になります。 この内の「瞋恚」は、怒るという意味です。笑い飯 哲夫ザ煩悩 62ページ ではここで、三業を紹介します。 三菱重工業ではありません。 三業とは、 身業、 口業、 意業のことです。業とは、 動いたり思ったり、 全般的な英語の do だと思ってください。 ですからこの三つは、行動、発言、心の動き、という感じになります。 先ほどの十悪は、 この三業によって、 三、四、三のフォーメーションに配分されます。 つまり、殺生、偸盗、 邪 OBJ は身業、 妄語、 両舌、 悪口、綺語は口業、 樫貪、 瞋恚、 邪見は意業、というふうに、それぞれの悪業となるわけです。笑い飯 哲夫ザ煩悩 63ページ お城に住んでいた王子様時代のお釈迦さんが、 東の門から出た時に出会ったのが、顔は皺だらけで腰もすごく曲がったご老人でした。そして人間は必ず老いるのだと知りました。 南の門から出た時に出会ったのが、 呻きながら辛そうにしている病人でした。 そして人間は必ず病気になるのだと知りました。 西の門から出た時に出会ったのが、 死人でした。 人間は必ず死ぬのだと知りました。 そうなると、もう生まれてくること自体が苦しいことではないか、ということで、 生老、病、死が、四苦となりました。笑い飯 哲夫ザ煩悩 ・ 66ページ また四字熟語と申しますと、四苦八苦という四字熟語があります。 これも仏教の言葉で、四苦というのは、生、老、病、死のことを表しています。生まれること、 老いること、 病になること、 死ぬことという、人間において根源的な苦しみのことになります。 この四苦に、 あと四つの苦しみを追加して八苦、 それで四苦八苦となるわけですね。ではその追加の四つはなにかと申しますと、 愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦の四つになります。笑い飯 哲夫ザ煩悩 73ページ 他人にばっかり興味を持ちすぎなんですよ。 だから嫌ってしまうんです。 ある先生から、 「他人のしたことと、しなかったことを見るな。 ただ、自分のしたことと、 しなかったことだけを見よ」 というお釈迦さんの言葉を教わりました。 一見寂しいこの言葉は、失敗したり、 財布を失ったりした時に、とても有意義な教えになることを知りました。 自分のや ることをとこと、らいいんですよ。 それを通して、 自分の中でやったことを多大に自慢してても構わないんですよ。そして、 自分がやってはいけないことを、とことんやらなければいいんですよ。笑い飯 哲夫ザ煩悩 • 75ページ こんなにも念頭に貼りついているにもかかわらず、こんなにも採用されないスローガンも珍しいと思います。 罪だけを許せないとして、 それと切り離して人を許すという感覚が習得できていないのです。でもね、 できますか。 そんなことできますか。 自転車が盗まれて、 盗む行為のことを憎んで、盗んだやつのことを憎まないなんていう器用な分別作業ができますか。 それをできる人がいたら、 その匠の方法を伝授してほしいです。 もし身内が医療ミスの被害に遭ったとして、 医療ミスという事象だけを追及して、 医療ミスを犯した人に無関心でいることなんてできますかね。 つまり、この崇高すぎるスローガンは、 悟りの境地に達した人が、 まだ上のもっと上の悟りに達したいという時に掲げるスローガンのような気がするのです。笑い飯 哲夫ザ煩悩 • 77ページ お釈迦さんが悟った初期の教えで、正しい生き方の指針といえば八正道があります。 四諦の道諦とはこの八正道のことで、 八正道を実践すると苦しみの原因が滅し、 苦しみの原因が滅すると苦しみが滅するというニュアンスです。 八正道とは、八つの正しい生き方を示していて、 正見、正思、正語、正業、正命、正精進、正念、正定の八つになります。 具体的には、 真理を正しく見ること、真理を正しく思い考えること、 正しい言葉で語ること、悪いことをせず正しい行いをすること、 正しい生活を送ること、正しく善に向かって精進すること、正しい信念を持つこと、 正しく精神統一することの八つになります。笑い飯 哲夫ザ煩悩 ・ 82ページ ストレスという言葉が氾濫してから何年経つでしょうか。 お医者さんから「ストレス貯まってませんか」と聞かれたこともありますし、 若者から「カラオケでストレス発散してきました」 なんていう報告を受けたりもします。 なんでもかんでもストレスと言い過ぎなのでは、と疑問を抱いたこともあります。 そんな中、近年のストレス研究は進化していて、ストレスが健康に影響を与えると認識していることによる生存率への悪影響を調べるまでに至っているそうです。 そして、ストレスが健康に影響を与えると認識している人は、ストレスが健康に影響を与えると認識していない人よりも、生存率が低くなるとのデータが出ているそうです。ということはつまり、ストレスという言葉を知らない方がいいのかもしれません。笑い飯 哲夫ザ煩悩 ・ 95ページ 詳しく説明しますと、 仏さんにはランクがあって、一番上から、 如来、菩薩、明王、天、という序列があるんですね。横綱、大関、関脇、小結みたいな感じです。いわば称号ですね。 これらの仏さんは、煩悩の量が少ない順に並んでいて、 全く煩悩のない状態が如来です。 そして如来は、別名、仏と呼ばれます。 だから知らぬが仏は、知らぬが如来なんですね。 二位の菩薩もほとんど煩悩はないんですが、 如来になるための修行中のような意味合いもあり、 ほんの少しだけ煩悩を残してはるんですね。 三位の明王もあともう少しだけ煩悩を残してはって、 四位の天も明王よりもう少しだけ煩悩を残してはるような感じです。笑い飯 哲夫ザ煩悩・ 95ページ お釈迦さんが亡くなった後、 お釈迦さんの正しい教えが継承される時代を正法、 正しい教えに類似した教えになる時代を像法、 正しい教えは廃れて世は乱れるという時代を末法というのだと教わりました。また、正法はお釈迦さんが亡くなってから500年、 像法はその後の1000年、 それを過ぎると末法になるとも教わりました。笑い飯 哲夫ザ煩悩• 107ページ