アイデアを現実に否定させる技術
しかし、アイデアを自分の中で温め続けていると、それをやりたくなくなっちゃうんです。 なぜなら、やってみて失敗したらそのアイデアがダメだったということになるからです。 なので、 みんなアイデアを自分の中に持っていながら、行動しなくなるんですね。 そして、だいたいのケースにおいて、 自分の持っているアイデアはたいしたものではありません。 たとえば、 事業プランの話で「ずっと温めているアイデアがあるんですよ」 と言われることがあります。 しかし、聞いてみるとぜんぜんたいしたことがなかったりするんです。 「それ、 すでにありますよ」 というものだったり 「ここがこうだから成功しないと思いますよ」 みたいなものだったりします。もっと言うと、そもそもだいたいの場合、 アイデア自体にはほとんど価値がなくて、 実行力が大事なんです。 LINEみたいなメッセンジャーサービスがくるだろうということは、2010年前後のインターネットベンチャーでは、多くの人が気づいていました。 みんなLINEのようなものを作ろうとしていたけど、成功したのは LINEだけです。 つまり、アイデアにはほとんど価値がなくて、 正しく実行しないと意味がない。 そして正しく実行したとしても、 99%は成功しないものなのです。 物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術 けんすう p. 199ページ
アイデアをあたためるな
たとえば、漫画家さんとかの話を聞いていると、 漫画家になれないタイプの人ほど 「もっとうまくなってから漫画を描きます」 と言うらしいんです。 また、漫画を描くと決めたとしても、最後まで描き終えられる人はほとんどいないそうです。下手でもいいからとりあえず完成させることが大事なんですが、 それができないという人が多いんだとか。 これは、多くの人が、 「最初から完璧なものを出そうと思っているから」 起こってしまうことだと思います。 なぜなら、 自分をよく見せたいという気持ちが人間にはあるからです。 物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術 けんすう p. 202ページ
アイデアを実行にうつすと上手くいかなかった場合、大事にしてきたアイデアが現実の結果に否定されてしまう。
だからこそ人はアイデアを実行するのを極力避ける。
アイデアを実行するのを避けるために計画を練る。永遠に練り続ける。
だからこそ人はアイデアを実行にうつすべきである。
もちろん計画というか仮説を立てるのは重要。
だけど一度仮説を立てたら早急にその仮説を現実に否定させ、仮説をどんどん修正変更していかないと進歩がない。
とはいえ、アイデアから現実にスイッチするのはやはり人間、大きな抵抗を感じる。
だからこそそれを実行するための技術、テクニックが必要。
仮説の否定を進歩だと信じる
仮説が否定されたことをおもしろがる
初回の打点を低くする
以前より打点が高くなったら喜ぶ
以前より打点が低くなったら喜ぶ
正直に言って、思いついた着想は頭の中でふよふよさせているのが一番楽だし、 楽しくすらある。 疲れが生じないだけでなく、 さまざまな可能性を残せるからだ。考えの育て方: 知的生産のデジタルカード法 / 倉下忠憲 ・54ページ
その意味で、はっきりしたタイトルをつける行為は、アイデアの可能性を限定する行為だと言える。 これはちょっともったいない気もするし、 先ほどの面倒さも合わせると、 あまり意欲が湧いてこない行為でもある。考えの育て方: 知的生産のデジタルカード法 / 倉下忠憲 ・ 54ページ
頭の中でふよふよしている着想たちは、いくらでも可能性を持つがゆえに、いっこうに固まることがない。そこにある概念が固定されないのだ。固定されない概念は、 使うことができない。 その概念を用いて、何かを論述したり、別の概念を組み立てることができない。 あくまでメタファーであるが、 ふよふよしているものはブロックにはならないのである。 積み重ねて、 ピラミッドを築き上げるブロックには。 大きな構造物を組み立てるためには、たとえ小さくてもたしかに固まったブロックが必要である。 そのブロック作りが、 カード書きだ。逆に言えば、 一枚のカードを書きつけることは、 自分が使える知的ブロックを一つ作ることを意味する。考えの育て方: 知的生産のデジタルカード法 / 倉下忠憲 55ページ 強調引用者
あとで書く