J.BOY
https://youtu.be/VTZBsaxNNEY?si=j-3cWY0t8fshvQEe
働くだけの人生、金銭だけを追い求める金満日本に対する怒りを表明してるんだけど、タイトルがJ.BOY、「日本男児」とはならず「アメリカの属国だなあ」って感じ。もちろんわざとそういうタイトルつけてて、そんな皮肉な状況こそがこの曲のテーマだったりする。
仕事終わりのベルに
とらわれの心と体 取り返す 夕暮れ時
家路たどる人波
おれはネクタイほどき
時に理由もなく叫びたくなる 怒りに
AメロBメロで労働しかしてない。浜田省吾の曲、そういう歌詞流れが多いイメージだ。仕事して帰宅するまでがサビ前までで、それはまさにサビのカタルシスまでの「我慢」の時間とシンクロしている。労働者にとって解放されるのは仕事が終わった時だけだ。
また、二番では、
果てしなく続く生存競争 走り疲れ
家庭も仕事も投げ出し 逝った友人
そしておれは心の空白 埋めようと
山のような仕事 抱えこんで凌いでる
と、友人が過労死で死んだ心の穴をうめようとする男の気持ちが歌われる。ここらへん、スプリングスティーンみたいな社会派的なメッセージを入れ込もうとしてるんだろう。 この曲おもしろいのは、
J. Boy 掲げてた理想も今は遠く
J. Boy 守るべき誇りも見失い
などといった歌詞があり、非常に右翼、保守的なメンタリティも刺激するようなところだ。「誇りを取り戻せ!」というわけ。 午前4時 眠れずに
彼女をベッドに残し
バイクにkey差し込み
闇の中 滑り込む
すべてが消え去るまで
夜中に走り出すのはいかにもスプリングスティーンだが、星条旗がバックにあるスプリングスティーンとは違って、浜田省吾の背後に日の丸はない。ない、のだが、
水平線 昇る太陽の中 突き抜けたい
浜田省吾は日の丸を背負わないが朝日を背負う。ここの筋の通し方がとってもかっこいい。もちろんこの昇る太陽とはナショナルな興隆の欲望と重ね合わされてるのだが、だからこそ「I'm a J.BOY」の「a」という「個」がきいている。