DARVO
読書猿.icon既に紅龍堂書店さんがご指摘されていますが、差別発言→訂正ポーズ→被害者ポジションという一連のコンボは、心理学者ジェニファー・フレイドが命名した DARVO(Deny → Attack → Reverse Victim & Offender)そのもので、差別の中でもとりわけ悪質なものです。DARVOは、加害行為を指摘された当事者が
1.否認(そんなつもりはなかった/誤解だ)、
2.反撃(批判者は過敏・言論弾圧だと攻撃)、
3.被害者と加害者の転倒(自分こそ“言葉狩り”の犠牲者だと主張)
という三段階で責任回避を図る操作的話法を指します。加害効果(嘲笑・敵意の拡散)だけを確保し、制裁リスクを最小化する戦略的差別であるだけでなく、被害者の訴えの信用を損ね自責感を増幅させる「訂正パフォーマンス」であり、
フレイドはこれを「被害者の自己効力感を奪い、第三者の認知を歪める強力なフレーム」と位置づけます。差別としてより悪質な理由は、
1.目的的加害:差別語の破壊力を自覚した上で使用しており、偶発的暴言より計画性が高い。
2.二次被害の制度化:DARVOにより被害者の訴えが信用失墜し、救済システム(HR部門・司法)に届かない。
3.規範の反転:加害者が「言論弾圧の犠牲者」として賞賛されることで、差別規範が“正当化”へと転換する。
4.再発可能性の高さ:自力反省を経ないため、同様の差別語や暗喩(ドッグホイッスル)を繰り返す傾向が強い。またDARVOに晒された当事者がPTSD・自己効力感低下を発症しやすいと言われます。これに対し、フレイド&ハーシーの研究は、DARVO概念を事前学習した群では加害者の信頼度が有意に下がり、被害者信用が回復することを示しています。https://x.com/kurubushi_rm/status/1946239996706566276